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金木犀の許嫁

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第二十八話 二人一緒にその九

「お家のことはね」
「ありますね」
「やっぱりね」
「お家を継ぐ継がないはですね」
「古い考えと言われても」
 そうであってもというのだ。
「けれどね」
「ありますね」
「私達はね」
「それが現実ですね」
「個人の時代と言っても」
「お家のことはありますね」
「そうしたお家もあってね」
「私達もそうですね、いいか悪いかは別にして」
 白華はそれでもと言った。
「あることはですね」
「事実でね」
「私達はそこでどうするかですね」
「ええ、それに家を継いで悪いことがあるか」
「ないですね」
「代々真田家にお仕えしている縁でね」
 それでというのだ。
「真田家が今は八条グループで代々働いていて」
「私達もですね」
「ぞう、十勇士のお家の人達もね」
 即ち自分達もというのだ。
「お仕事あるでしょ」
「そうですね」
「八条グループの中でね」
「そうなっていますね」
「当然入社試験に合格しないといけないけれど」
「推薦とかしてもらって」
「何処かにね」 
 グループ内の企業のというのだ。
「就職出来るから」
「いいですね」
「そう、コネもあるけれど」
「そう言われそうなことも」
「けれどね」
 それでもというのだ。
「就職もね」
「あるので」
「やっぱりお仕事がないとね」
 そうでなければというのだ。
「人は暮らせないし」
「現実としてそうですね」
「だからね」
 それでというのだ。
「お家のことはね」
「私達は大事ですね」
「そうよ、それでね」
 真昼は白華にさらに話した。
「私はね」
「西宮家を継ぎますね」
「お婿さん迎えてね」
「その為のお見合いですか」
「そうなるわね、さてどんな人とお見合いするか」
「そうして許嫁になるか」
「楽しみよ」
 こうも言ったのだった。
「不安でもあって」
「両方の気持ちがありますか」
「ええ、いい人ならね」
「幸せになれますね」
「やっぱり暴力とか浮気とか借金とか」
 そうしたものはとだ、真昼は困った様な顔になって話した。
「嫌よ」
「あと思いやりがなかったりね」
 夜空はこちらのことも話した。
「自分だけでヒステリックでお仕事しない」
「そんな人も駄目よね」
「普通の人ね」
 あくまでというのだ。 
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