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金木犀の許嫁

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第二十八話 二人一緒にその七

「真田家とね」
「十勇士のお家はありますね」
「古い武家のお家だから」
 そうであるからだというのだ。
「確かに古いけれど」
「今もありますね」
「探したら結構ね」
 真昼は白華にさらに話した。
「こうしたお家を継ぐとか」
「そうしたお話はありますね」
「天理教の教会でもね」
「大阪は多いですね」
「お家に女の子しかいなかったら」
 その教会の家にというのだ。
「長女さんがね」
「お婿さんを迎えて」
「そうしてね」 
 そのうえでというのだ。
「お家、教会を継ぐのよ」
「お婿さんの苗字が変わりますね」
「そう、そのお家を継ぐから」
「そうですね」
「天理教は養子もあるし」
「養子さんが教会を継ぎますね」
「お家は代々って教えの宗教だから」 
 それ故にというのだ。
「こうしたことはね」
「多いですね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「あちらの宗教はね」
「そうですね」
「それで私達もね」
「古い武士のお家で」
「天理教とはまた違った考えでね」
「昔の武士のお家の考えですね」
「それでね」
 天理教はまた違うのだ、天理教はその歴史と教えから農家そして大工の宗教だという一面が強いがだ。
「今もね」
「お家の考えが強いですね」
「そうなのよね」
「十勇士のお家にそれぞれ分家が幾つかずつありますね」
「それで私達はね」
「猿飛家の分家ですね」
「その分家をね」 
 それをというのだ。
「私はね」
「継ぎますか」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「お婿さんをね」
「迎えますね」
「そうなるわ」
「そうですか」
「やがてね」
「そうなのですね」
「お父さんもお母さんもこだわってなくて」
「真昼さんがお家を継ぐことを」
「若し私が嫁いでも」
 他の家に行ってもというのだ。
「な韮化の形でお家を継ぐ人がいてくれたら」
「いいですか」
「真田家か十勇士のお家の人で」
「養子に入って」
「それでね。だからね」
 真昼は笑ってだ、白華にこうも言った。
「白華ちゃんもどう?」
「西宮家を継ぎますか」
「養子に入って」
 そうしてというのだ。 
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