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もう通用しない

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第二章

「嫌な奴の文章なんてね」
「たまたまでもだね」
「詠むものじゃないわよ」
「全くだよ、本当に朝から不愉快な気持ちになったよ」
 寿はやれやれといった顔で言った。
「学校行く前に口なおしじゃなくて目なおしにね」
「デイリー読むのね」
「それか月刊タイガース読んで」
 そうしてというのだ。
「ちらりとでもね」
「それで学校行くのね」
「そうするよ」
 こう言って実際にだった。
 寿は家で取っているデイリースポーツの一面を読んでから学校に行った、そして学業だけでなく部活にも精を出したが。
 その時に後輩達の指導をしたがそこで同級生に言われた。
「お前の指導優しいな」
「そうかな」
「絶対に罵らなくてな」 
 後輩達をというのだ。
「穏やかで連帯責任とかな」
「言わなくて」
「暴力なんてな」 
 それこそというのだ。
「振るわないな」
「皆そうじゃない」
 寿はあっさりと答えた。
「うちの学園は」
「暴力厳禁だからな」
「その指導徹底してるからね、それにね」
 寿はさらに話した。
「僕そういうこと大嫌いだし」
「暴力反対だな」
「罵ったりね、連帯責任もね」
 そうしたこともというのだ。
「下品だったり偉そうなもの言いも」
「嫌いだな」
「大嫌いだよ」 
 実際にというのだ。
「本当に」
「そうだよな」
「堀内みたいになりたくないから」
「ああ、堀内ってあの堀内か」
「巨人のね」
「俺もあいつ嫌いだけれどな」
 同級生もだった。
「偉そうで口が悪くてな」
「巨人のことしか言わなくて」
「見てるだけで不愉快になるな」
「そうだよね、あいつは。それでね」
 寿はさらに言った。
「僕あいつみたいにはね」
「なりたくないか」
「選手としては凄かったけれど」
「頭の中巨人しかなくてな」
「おまけにあんな性格と行動だから」
 だからだというのだ。
「清原と並んでね」
「巨人で嫌いな奴だな」
「関係者でね、あんな奴と同じ行動は」
 それはというと。
「絶対にね」
「やりたくないか」
「ああはなるまいって」
 その様にというのだ。
「思ってるよ」
「だから後輩の指導もか」
「堀内とはね」
 まさにというのだ。
「逆のことをね」
「やってるんだな」
「そうだよ」
 実際にというのだ。 
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