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ハッピークローバー

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第百三十六話 閉会式の前にその六

「いざね」
「自分でってなると」
「それがね」
 どうもというのだ。
「動かないのね」
「動けないっていうか」
「どうもね」
「ヘタレ言われても」
 一華はそれでもと話した。
「中々ね」
「そうしたことは動けないわね」
「いや、実際勇気いるでしょ」
 富美子も言ってきた。
「そうしたことは。お姉ちゃんもね」
「経験ない?」
「あるみたいだけれど」
 それでもというのだ。
「詳しいことはわからないしね」
「経験あるかどうか」
「そんなこと言うものか」
「言わないわね」
「そうだしね」
 そうしたものだからだというのだ。
「本当にね」
「わからないわね」
「それでね」
 かな恵にさらに話した。
「私だってね」
「まだよね」
「ある筈ないでしょ」
 むっとした顔になって答えた。
「そんなの」
「越智君ともなの」
「真面目だからね」
 彼はというのだ。
「それでね」
「富美子ちゃんもだしね」
「あのね、派手なファッションでもね」
 このことは自覚している、そのうえで言うのだった。
「けれどね」
「実は真面目だしね、富美子ちゃん」
「あまり勉強はしなくても」
 このことも自覚して言った。
「こうしたことはね」
「真面目よね」
「遊ぶのは遊んでも」
「悪い遊びしないしね」
「いじめとかカツアゲとか万引きも」
「しないわね」
「それでこうしたことでもね」
 男女交際でもというのだ。
「やっぱりね」
「悪いことしないわね」
「ええ」
 そうだというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「手はつないでも」
「そこから先はまだね」
「ええ、ただ一緒には飲むわ」
「じゃあ今日もそうする?」
「誘いかけるわ」
 かな恵に真顔で答えた。
「実際にね」
「そうするのね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「打ち上げ楽しむわ」
「それじゃあね」
「あんた達みたいにね」
「いや、実は鳴海っちカレー食べたいとか言うかもね」 
 ここでかな恵は笑ってこうも言った。
「鳴海っちカレー好きで最近食べてないし」
「お酒飲むのにカレー?」
「合わないわよね」
「それはないでしょ」
 富美子は眉を曇らせて言葉を返した。
「お酒にカレーは」
「そうよね、若しカレーって言ってもね」
「他のお料理にするわよね」
「インスタントラーメンあるから」
「鳴海っちそっちも好きなの」
「塩ラーメンあって」
 こちらのインスタントラーメンがというのだ。 
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