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北海道一色

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第四章

「もうね」
「憎い演出してくれたのかもね」
「日本ハムへの愛情感じるわね」
「オリックスの監督さんでも」
 今はというのだ。
「憎い演出だとしたら」
「これはいいわね」
「いや、オールスターも盛り上がって」
 そうしてというのだ。
「それでこれからもね」
「後半戦も」
「これまで以上にね」
 まさにというのだ。
「頑張って欲しいわね」
「いい野球して」
「勝って欲しいわね」
「是非ね」
 二人で話した、そして。
 亜沙美はビールを飲んでだ、満面の笑みで言った。
「ビールも美味しいわ」
「札幌のね」
「やっぱりいいわ」
「ビールはこれよね」
「そう、ビールも北海道」
「それに尽きるわね」
「日本ハムも北海道でね」 
 この地にあってというのだ。
「頑張ってるし」
「ビールだってね」
「北海道よ」
 こう澄香に言うのだった。
「もう他にはね」
「ないわね」
「本当にね、それとね」
「それと?」
「何時かまた」
 亜沙美は希望を見ている目で語った、座布団に座って澄香と卓を囲んでテレビの試合を観つつ彼女にそうした。
「優勝して欲しいわね」
「そうね、またね」
 澄香もまさにと頷いた。
「優勝したいわね」
「北海道に移ってから何度か優勝してるけれど」
「二〇一六年とかね」
「大谷さんいてね」
「あの時が懐かしいわね」
「今はね」
「そう言われたら」
 澄香もまさにという口調で答えた。
「私だってね」
「優勝したいって思うわね」
「勿論よ」
 一も二もないという返事だった。
「やっぱり優勝はね」
「いいわよね」
「ええ、優勝こそがね」
 まさにというのだ。
「目指すものだしね」
「皆がね」
「だからね」
「また優勝して欲しいわね」
「黄金時代はダルビッシュさんがいて」
 澄香は今はメジャーで活躍している彼の名前を出した。
「二〇一六年は大谷さんがいたけれど」
「またね」
「優勝して欲しいわ」
「そうよね」
 亜沙美もまさにと応えた。
「皆そう思うわね」
「あの優勝からね」
 二〇一六年のというのだ。 
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