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ドリトル先生と奇麗な薔薇達

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第三幕その十二

「もう一九八〇年代のこともだよ」
「語れないね」
「とても」
「それこそ」
「全くだよね」
「あらゆる学問が進歩、発展して」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「新しいこともわかるし」
「それは科学もだから」
「今の科学で未来のそれを語っても」
「意味がないね」
「むしろ今の科学の予想よりもだよ」 
 それよりもというのです。
「凄いものがね」
「生まれるね」
「そうしたことあるよね」
「本当に」
「漫画やアニメの話でもね」
 創作の世界のそれでもというのです。
「それこそだよ」
「全くだよね」
「未来の科学技術は語れないわよね」
「今の科学技術では」
「とても」
「飛行機なんて無理だと言った人がいた筈だよ」 
 先生は言いました。
「けれどだね」
「飛行機は生まれたね」
「そして今世界中で飛んでいるわ」
「そうなっているよ」
「人間は気球や飛行船でお空を飛んでも」
 このこともというのです。
「気球が出る百年前は誰が出来るなんてね」
「思ったか」
「飛行機だって」
「そちらもね」
「けれどライト兄弟は果たしたよ、今は無理でも」 
 そうであってもというのです。
「未来はわからないよ、だから創作のことでもね」
「今の技術では語れない」
「無理だと言えない」
「そうよね」
「そうだよ、無理だ不可能だと言って」
 今の科学技術で未来のそれをというのです。
「子供の夢を壊したとか言って笑っているならな」
「無意味だね」
「そんな主張は」
「そしてそんなことを書いた本は」
「そんなことを言う人は」
「こんな人はこの世で最も無駄なことの一つに励んで」
 今の科学技術で未来のそれを語るということをというのです、先生は穏やかですが確かな声で言うのでした。
「生きているならね」
「無意味でね」
「無駄なことに情熱を費やして」
「無駄な人生歩んだわね」
「こんな無駄な人生もないよ」 
 先生は断言しました。
「僕がいつも思っていてね」
「時々言ってるね」
「学問は進歩するもので」
「科学もそうだから」
「今のそれで未来は語れない」
「そうだって」
「悪事しかしない人生、何の努力もしないでふんぞり返っているだけの人生も無駄だけれど」
 それと共にというのです。
「そうした人生もだよ」
「無駄よね」
「つまらない人生だね」
「本当に」
「全くだよ、世の中無駄はないと言うけれど」 
 先生はこうも言いました。
「その時無駄なことをしたと思っても」
「後でそれもいい経験だったってね」
「わかったりするよね」
「それも人生だよね」
「けれどこうした人生はね」
 どうにもというのです。
「無駄と言っていいよ」
「無駄なことしてね」
「無駄に人生を消費した」
「そんなものだね」
「そんなことを書いた本なんてこれ以上はないまでにつまらなくて」
 そうであってというのです。
「そんな本でお金を儲けてもね」
「つまらないね」
「こんな下らない人生はないね」
「本当に」
「そうだよ、世の中それに学問の進歩を否定というか知ろうともしない」
 そうしたというのです。
「これ以上はないまでに愚かでね」
「意味がない」
「そんな人生よね」
「そんな人のそれは」
「全く以てね」 
 こう言うのでした、そしてです。
 先生は本を読むのでした、人類の進歩を考えその一部となっている麻酔についての本をどんどん読んでいくのでした。 
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