八条学園騒動記
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第七百六十話 あまり力を入れていなくともその七
「そうしています」
「それじゃあ」
「かなりです」
「疑われているのね」
「ずっとマークされています」
そうなっているというのだ。
「我がシヴァ家は」
「そうなのね」
「両方と交流があるので」
「連合、エウロパと」
「ですから」
それ故にというのだ。
「私達はです」
「マークされているのね」
「エウロパから」
「あいつ等馬鹿だから」
エイミーはここでもエウロパへの偏見を出した、自覚はないがそうしてそのうえでさらに言うのだった。
「疑り深いのね」
「いえ、確かにエウロパから疑われていますが」
セーラはエイミーに答えた。
「ですがそれでもです」
「何かあるの?」
「連合からもです」
エイミー達の国からもというのだ。
「疑われています」
「そうなの」
「はい、エウロパのスパイかと」
「そうなの」
「敵対する二国双方と交流がありますと」
そうであるならというのだ。
「両国からです」
「疑われるのね」
「よく韓国は反エウロパ感情が薄いと言われていますが」
洪童の祖国であるこの国はというのだ。
「マウリアから見ますと」
「強いの」
「はい」
そうだというのだ。
「これが」
「そうなのね」
「それで、です」
「韓国からも疑われているの」
「我が家は。表立っては言われないですが」
それでもというのだ。
「目と耳はです」
「二つ共ありまして」
「いつも感じ取っています」
ラメダスとベッキーも話した。
「見られて聞かれていると」
「その様に」
「嫌だな」
そうした状況はとだ、ダンはここまで聞いて言った。
「それは」
「いえ、別にです」
「嫌ではありません」
二人はダンにすぐに答えた。
「これといって」
「何も」
「普段通りに振る舞えばいいので」
「私達は」
「何も疚しいことはしていません」
「我が家は工作員ではないので」
だからだというのだ。
「これといってです」
「何も気にしていません」
「強いな」
ダンは二人の話を聞いて目を鋭くさせて述べた。
「それは」
「いえ、事実ですから」
「私達に疚しいことがないことは」
「だからです」
「気にしていません」
「疑われることは構いません」
セーラはお茶を飲みつつ言った。
「別に。ですが」
「それでもか」
「冤罪をかけられますと」
その時はというと。
「我が家も全力で、です」
「戦うか」
「はい」
穏やかだが確かな声で言った。
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