八条学園騒動記
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第七百六十話 あまり力を入れていなくともその六
「マウリアに両国の活動拠点が出来て」
「お互いに工作員を送り込もうなんてな」
「そのまま小説よね」
「スパイ小説そのものだな」
「本当にね」
「そう言っていいな」
「そうしたお話は私も聞いていますが」
セーラがここで言ってきた。
「お話出来るかというと」
「出来ないか」
「はい」
ダンに静かで確かな声で答えた。
「左様です」
「そしてか」
「はい、このことは」
「言えないか」
「それに私も確かにはです」
「知らないか」
「聞いただけで」
ただマハラジャの娘、プリンセスであることから聞いた情報はより確かである。プリンセスも政治に関わる立場だからだ。
「そうですので」
「詳しい話は知らないか」
「事実ともです」
その様にもというのだ。
「確かめられていません」
「そうなのか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「このお話はです」
「これ以上はか」
「私は言えません」
聞いたとだけしかというのだ。
「その様に」
「そうなんだな」
「はい、ですが連合がです」
「マウリア人を買収してか」
「工作員にしていることは」
「実際にか」
「行われていまして」
それでというのだ。
「エウロパ側が警戒し」
「マウリア人を疑うこともしているか」
「このことはです」
まさにというのだ。
「昔からあり私も知っている」
「そうしたことか」
「はい」
そうだというのだ。
「お話です」
「そうなのだな」
「私は表立ってはです」
「疑われていないか」
「ですが」
ダンにそれでもと話した。
「シヴァ家は連合とも関係が深いので」
「だからこの学園にも留学してるわね」
エイミーが応えた。
「そうね」
「左様です」
その通りだとだ、セーラはエイミーに答えた。
「まことに」
「そうよね」
「八条家とはです」
八条学園を経営しているこの家とはというのだ。
「昔からです」
「お付き合いしているのね」
「そうです」
まさにというのだ。
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