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ドリトル先生と奇麗な薔薇達

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第三幕その四

「物凄い手術だってけれど」
「関羽さんは全く平気で」
 それでと言うチーチーでした。
「囲碁してお喋りしてたんだね」
「物凄いわね」
 ガブガブは思わず唸ってしまいました。
「私達にはちょっと無理よ」
「絶対に相当痛かったのに」
「それでも平気だったなんてね」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「想像を絶するよ」
「関羽さんならではだね」
「豪傑だったっていうけれど」
 それでもと言うダブダブでした。
「こんなこと関羽さん以外に出来ないね」
「普通の人じゃ我慢出来ないわ」 
 ポリネシアは心から思って言いました。
「絶対にね」
「関羽さんは強かったけれど」 
 ホワイティの口調はしみじみとしたものでした。
「痛みも平気で耐えることも出来たんだね」
「強くて忍耐力もある」
 老馬はその手術の有様を想像しつつお話します。
「関羽さんは本物の豪傑だね」
「だから今も人気があるんだね」
 トートーは思いました。
「そうなんだね」
「こんな人は流石に滅多にいないよ」 
 先生も皆に言います。
「だから例外としてね」
「考えることだね」
「関羽さんみたいな人は」
「滅多にいない」
「そうだって」
「そうだよ、関羽さんか関羽さんみたいな人でないと」
 それこそというのです。
「無理だよ」
「そうよね」
「ここにいる誰も出来ないよ」
「そんな痛みに耐えるなんて」
「それも平気で」
「どうしても最低でもみじろぎはするよ」
 手術をした時にというのです。
「痛みでね」
「我慢出来ない痛みってあるからね」
「感覚ってあるからね」
「どうしても」
「感覚は嘘を吐かないから」
「そう、言葉では嘘を吐けても」
 そうであってもというのです。
「けれどね」
「感覚は嘘を吐かないからね」
「観ても聞いても」
「味わっても」
「考えても」
「そして感じても」
「それでだよ」
 どうしてもというのです。
「そのことは否定出来ないよ」
「嘘って言葉だけだからね」
「五感は嘘吐かないからね」
「言葉で自分を誤魔化せても」
「五感は嘘を吐かないからね」
「痛みを感じたら」
 そうしたらというのです。
「本当にね」
「それに我慢出来なくもなるよ」
「あまりにも痛いと特に」
「それで身じろぎもするよ」
「どうしても」
「だから麻酔が必要なんだよ」
 手術の痛みに耐える為にというのです。 
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