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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその七十八

「的確にです」
「聞かれてな」
「決められていたので」
「だからだな」
「はい、あの方はです」
「軍事のこともご存知だ」
「若し軍人であられたなら」
 政治家でなくというのだ。
「そちらで、です」
「才能を開花されていたな」
「そうだったかと」
 こうマールボロに述べた。
「あの方は」
「そうだったな」
「そしてやはり軍事知識派です」
「おありでな」
「そして軍もその肌でご存知なので」
「軍人の話も聞かれるな」
「そうです、ですがジャバル副主席は違う」
 モンサルヴァートは再び彼のことを話した。
「ご自身はどう思っていても」
「そうだ、その実はな」
「軍事のことはご存知ない」
「全くだ、ただ武力はご存知でだ」
 それだけでというのだ。
「それでだ」
「そのコントロールには執心され」
「あまりにも強く統制してな」
「軍を弱めてしまいますね」
「間違いなくな、マウリア軍がどうなるかはな」
「もう我々にはですね」
「見えてきた、しかし我々はマウリアにはいない」
 エウロパにいるというのだ。
「だからな」
「それ故にですね」
「彼等のことは置いてだ」
 そうしてというのだ。
「我々はな」
「強くしていきますね、エウロパ軍を」
「そうしていく」
 まさにというのだ。
「これからはな」
「そうされますね」
「政治家の立場でな」
「では私は軍人として」
「共にエウロパ軍を今以上に強くしていこう」
 二人で約束をした、そうしてだった。
 共にティーセットを楽しんだ、二人は別々のものを飲んでいたが食べるものは同じで心にあるものも同じだった。そしてそのどちらも実に美味く感じ二人共そのことに心から満足してそのうえで楽しい時間を過ごしたと思ったのだった。


第八十六部   完


             2021・1・24 
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