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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその七十七

「現場の意見を聞かない政治家は駄目だ」
「自分の知識だけで動き政策を考えては」
「それは過ちの元だ」
「失政のですね」
「そうなる、実際に現場を無視した兵器や軍のシステムを導入してだ」
「軍を弱体化させた場合もあります」
「サハラでもだしだ」
 さらにというのだ。
「人類の歴史を見てもな」
「ありますね」
「やはり軍人の意見は必要だ」
 マールボロは言い切った。
「だから卿達もだ」
「意見をですね」
「言って欲しい、そしてそれがだ」
「エウロパの為になりますね」
「だからな、軍人は命令を聞くだけでいいというのはだ」
 国家元首や国防の責任者のだ。
「それは間違いだ」
「現場の意見も上げないとですね」
「よくない、ジャバル副主席は聞かないだろうが」
「ギルフォード総統は違います」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「あの方は政治家として優秀でだ」
「軍も承知されています」
「そこは違う」
 ジャバル、彼とはというのだ。
「全くな」
「そのことが大きいですね」
「軍事教育は専門的に受けてはおられない」
「イートン校からオックスフォードに進んでいますね」
 どちらもイギリスのあまりにも有名な名門校だ、どちらもこの時代に至るまで多くのイギリス首相を輩出しギルフォード以前にもエウロパ総統を出している。
「ですから」
「軍事教育はな」
「専門的には受けておられません」
「実際にエウロパ戦役まで軍の階級もだ」
「予備役でした」
「だがな」
「大将としての活躍はお見事でした」
 エウロパ戦役でのそれはというのだ。
「実質的な采配は殆どが指揮下の将帥達が行っていましたが」
「それでもな」
「それを的確に聞かれ」
 そしてだったのだ。
「動かれていました」
「そうだったな」
「無条件での了承ではなく」
 エウロパ貴族から参戦している者は大抵そうだった、名目的には司令官でも素人なので専門家達に実際は全て任せていたのだ。 
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