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八条学園騒動記

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第七百六十話 あまり力を入れていなくともその二

「ですからその連合の工作はです」
「こっちがあまりしてなくても」
「彼等からしてみますと」
「脅威なのね」
「そうなのです」
 こう言うのだった。
「実に」
「そうなのね」
「ですから」
「エウロパのダメージも大きいの」
「はい、連合の工作によって」
 それによってというのだ。
「実は」
「そうだったのね」
「そのことはですね」
「ええ、連合だとね」
 エイミーはセーラに驚いた顔で答えた、このことは実際に彼女もそして今話に参加している連合の面々も知らないことだった。
「もう一方的にね」
「エウロパが仕掛けていますね」
「そう思われているから」
 だからだというのだ。
「そうしたお話はね」
「知られていないのですね」
「ええ、何でかしらね」
「連合から見て思う様な成果を挙げていないんじゃないのか」
 ダンはエイミーに考えつつ答えた。
「だからか」
「それでなの」
「もっとな」 
 連合としてはというのだ。
「エウロパに深刻な被害を与えたいのかもな」
「深刻な、ね」
「俺達が受けてきた様なな」
 そうしたというのだ。
「大きなダメージをな」
「そうなのかしら」
「若しくはマウリアを巻き込んだ工作だからな」
 それでというのだ。
「表立っては言えないか」
「マウリアに迷惑がかかるから」
「だからな」
 同盟国であるこの国に配慮してというのだ。
「そうなのかもな」
「そうなのね」
「俺もその辺りの事情はわからないが」 
 それでもというのだ。
「言うに言えない事情もな」
「あるかも知れないのね」
「エウロパもな」
 工作を仕掛け仕掛けられている彼等もというのだ。
「表では言わないしな」
「工作をしているって」
「バチカンを利用していてもな」
「表立って言うとバチカンに迷惑がかかるわね」
「実際問題になってだ」
 ステッラの件がだ、これを連合ではステッラ事件と呼んでそのうえでエウロパ戦役の原因としている。
「バチカンは連合に移転したしな」
「オリンポス条約でね」
「戦争の後のな」
 その戦争こそエウロパ戦役である。
「工作はばれるとな」
「厄介なことになるわね」
「だからだ」
 その為にというのだ。 
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