神々の塔
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第七十三話 狼の遠吠えその八
「猛獣もモンスターも脅威にしても」
「遥かにな」
「その連中の方が問題や」
「そや」
まさにとだ、リーは話した。
「むしろな」
「その通りやな」
「そして」
芥川にさらに話した。
「家畜を襲うにしてもな」
「無差別に殺すとやな」
「やっぱり野獣やモンスターよりもな」
「危険やな」
「そうした奴はな」
「鼬がそやな」
芥川はここでこの生きものを話に出した。
「ほんまな」
「ああ、鼬は周りの生きもの殺すな」
「食べへんでもな」
「その習性があるな」
「そやから大きかったらな」
「あんな危険な生きものはない」
「そやな、昆虫でもな」
この生きもの達もというのだ。
「動くと攻撃するけどな」
「この世界大型の昆虫もおるけどな」
「まだな」
それこそというのだ。
「満腹になったらな」
「満足するさかいな」
「蟷螂でもな」
「そやけど鼬はな」
「そうした習性があるからな」
「ちと危険やな」
「その鼬でも殺戮はせん」
そうした行為は採らないというのだ。
「周りの生きものを襲う習性があってもな」
「流石にな」
「人に対しても生きものに対しても」
「無差別に襲うなら」
「そうした奴ことがや」
まさにというのだ。
「危険や」
「その通りやな」
「そやな、狼はそこまで考えんでもな」
中里はあらためてこの獣について話した。
「むしろ有り難い」
「そんな生きものやな」
「まさに『大神』や」
笑ってこの言葉も出した。
「農業から見たらな」
「獣害を防いでくれる」
「連合ではそうなってるわ」
「その狼を」
「悪く言うのはな」
芥川は言った。
「僕はな」
「せえへんわね」
「むしろええ生きものやとな」
その様にというのだ。
「家畜を襲わんかったら完全にな」
「言うわね」
「そうするわ、ほんまな」
アレンカールにさらに言った。
「狼はな」
「有り難い生きものね」
「農業から見たらな」
「そやから今の遠吠えも」
「怖いとはな」
その様にはというのだ。
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