清掃業がないと
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第一章
清掃業がないと
スーパーの店員早乙女勝平は細い目と笑顔の形をした唇を持つやや丸顔の青年だ、黒髪はショートにしていて背は一七〇位で痩せている。
大学を卒業して入社したがその彼にアルバイトの高校生斎藤建が彼に言ってきた。長身の太った大きな目と黒いスポーツ刈りが目立つ少年だ。
「うち清掃業の人入れてますね」
「月一でね」
「それで店内掃除してもらってますね」
「隅から隅までね」
「配点してから」
「それがどうかしたのかな」
「いや、掃除ならです」
斎藤は早乙女に話した。
「僕達店員もです」
「やってるね」
「毎日」
「受け持ちの場所をね」
「モップがけなんかもしてます」
店内のそれをというのだ。
「それでいつも奇麗にしてますけれど」
それでもというのだった。
「何で月一でも」
「業者さんに来てもらっているか」
「どうしてなんでしょうか」
自分達が掃除をしているのにというのだ。
「必要ですか?」
「これが必要なんだよ、今日閉店後その業者さんが来るけれど」
店にというのだ。
「その時にです」
「見ればいいですか」
「今日の店内とね」
それと、というのだ。
「明日の店内をね」
「そうすればわかりますか」
「だからね」
それでというのだ。
「見比べてね」
「わかりました」
斎藤は竿乙女の言葉に頷いた、そうしてだった。
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