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ドリトル先生と奇麗な薔薇達

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第一幕その十

「日笠さんとね」
「パーティーに出席するんだ」
「そしてね」 
 そのうえでというのです。
「楽しんでくるんだよ」
「そのつもりだけれど」
「そのつもりでもね」
 本当に強引にことを進める王子でした。
「いいね」
「そうするんだ」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「いいね」
「その予定だしどうして強く言われるかわからないけれど」
「わからなくてもだよ」
 本当に何が何でもとお話を進める王子でした。
「そうするんだよ」
「僕も同じ考えです」
 トミーも王子の側について言いました。
「絶対にです」
「日笠さんとパーティーにだね」
「出て下さい」 
 こう言うのでした。
「そうして下さい」
「予定でもなんだ」
「予定は変わりますね」
「その可能性はあるよ」
「そうですね、ですが変わりそうになっても」
「予定通りなんだ」
「若し変わりそうなら」
 それならというのです。
「絶対にです」
「変わらない様になんだ」
「僕達がします」
「僕がするんじゃなくて」
「先生だけで無理なら」
 そうした状況ならというのです。
「絶対にです」
「皆がなんだ」
「何とかします」
「そこまでしてくれるんだ」
「当然です、先生には今以上に幸せになって欲しいですから」
 そう思うからこそというのです。
「本当にです」
「この度はだね」
「パーティーに出て下さいね」
「そうするよ」
「先生は律儀だからね」
 王子もよく知っていることです、先生は約束は守る人です。相手がどんな人でもそうする人なのです。
「その律儀さをね」
「今回もだね」
「ちゃんと果たしてね」
 そうしてというのです。
「植物園の薔薇園でのティーパーティーを」
「日笠さんとだね」
「楽しんできてね」
「そうするよ」
 最初からそのつもりの先生が頷きました。
「本当にね」
「それではね」
 こうしてお話は決まりました、そしてです。
 そのお話が終わったところで、です。先生はカレーをおかわりしてからでした、こうしたことを言ったのでした。
「このカレーは甘口だけれど」
「うん、蜂蜜に林檎に牛乳をね」
 王子が笑顔で応えました。
「入れてね」
「それで甘口なんだね」
「そうだよ」
 こう先生にお話しました。
「今日のカレーはね」
「いいね、辛口も甘口もね」
「先生好きだね」
「中辛もね」
 こちらもというのです。
「好きだよ」
「それぞれの美味しさがあるね」
「そう、そしてね」 
 先生はさらにお話しました。 
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