ドリトル先生と奇麗な薔薇達
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第一幕その九
「自由意志です」
「自由意志でしないことは」
「そう言われます?」
「駄目かな」
「そう言ったら何も前に進まないですよ」
トミーは先生に少し厳しい口調で答えました。
「全く」
「恋愛について」
「先生は今以上に幸せになれないです」
「今の時点で満足していても」
「ですからその満足をです」
「今以上になんだ」
「したいと思われれば」
先生ご自身がというのです。
「きっとです」
「なれるんだ」
「はい」
まさにというのです。
「先生なら」
「そうなのかな」
「きっとと言いましたがもっと言えば」
「どうなのかな」
「絶対にです」
こう言うのでした。
「幸せになれます」
「そうなんだ」
「はい」
まさにというのです。
「もう傍に先生を好きな人が」
「ははは、僕も絶対と言うよ」
先生はトミーの言葉を即座に否定しました。
「僕を好きな女の人はね」
「おられないですか」
「だから全くね」
それこそというのです。
「僕は恋愛対象じゃないんだよ」
「女性から見て」
「そうなんだよ」
「外見じゃないですよね」
「人はね」
「だったら先生も」
「あのさ、お話が堂々巡りになってるね」
王子はこのことを感じ取って言いました。
「もうこうなったら」
「うん、一気にだね」
「決めるべきだね」
「お話を」
「そうしよう」
王子は皆に応えました。
「ここはね」
「そうだね」
「じゃあ先生の背中を押そう」
「そうしよう」
「ここはね」
「うん、じゃあ先生」
王子は皆とお話してから先生にお顔を戻して言いました。
「今度日笠さんとパーティー行って来てね」
「もうその予定だけれど」
「その予定をだよ」
まさにというのです。
「絶対にね」
「行うんだ」
「そうするんだよ」
こう言うのでした。
「先生はね」
「そうしないと駄目かな」
「駄目だよ」
一も二もないといった返事でした。
「今回はね」
「恋愛のお話らしいけれど」
先生もこのことは察しました。
ですがそれでもです、先生は王子に言うのでした。
「日笠さんと僕はお友達だよ」
「それでもいいから」
もう先生のお考えは無視して言う王子でした、兎に角強引でも先生の背中を押すと決めたからです。
ページ上へ戻る