神々の塔
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第七十二話 四つ目の神その六
「そのことを思い出すとな」
「苦さ忘れられへんわ」
「ほんまな」
「次は勝つ」
施は強い声で言った。
「何があってもな」
「そうしよな」
「臥薪嘗胆や」
ここでこの言葉を出した。
「まさにな」
「この敗北を忘れへんことやな」
「別に薪の上で寝てや」
言葉通りにというのだ。
「肝を舐めるんやない」
「心に刻む」
「そや、そしてどうもな」
施はさらに話した。
「エカテリーナちゃん達もな」
「あの決戦ではか」
「自分等を食い止めたが」
そうしたがというのだ。
「損害が大き過ぎてな」
「軍事行動が出来へんな」
「当分な、決戦に国力も総動員したし」
「力も消耗したか」
「自分等はまだ余裕があるが」
国力にというのだ。
「枢軸はな」
「もう満身創痍でやな」
「当分動けん」
「国力の回復に努めなあかんな」
「連合と枢軸では国力が違うわ」
アレンカールが言って来た。
「もうね」
「こっちは百二十億はおって」
「総生産は枢軸の十倍でしょ」
「それ位ちゃうな」
「枢軸は二十億程よ」
彼等の勢力の人口はというのだ。
「それ位でね」
「人口は連合の六分の一で」
「そしてね」
その状態でというのだ。
「技術もずっと低いでしょ」
「こっちが二次大戦頃のレベルでな」
「あっちは一次大戦でしょ」
「全体で見てな」
「航空機は複葉機でね」
連合は単葉機である。
「戦車も砲塔がなくて空母もなくてレーダーもね」
「ないな」
「そうした状況よ」
「枢軸の国力は連合よりずっと下やな」
「ガスも電気も水道もね」
インフラの話もした、当然ながらここで言う水道とは上水道だけでなく下水道もしっかりと入っている。
「充実してるでしょ」
「連合はな」
「そこまでちゃうわ、そやからね」
「僕等は絶対に勝てると思った」
「どう見ても油断してへんかったし、けれど」
それでもというのだった。
「ああなったのはね」
「ほんまな」
「今思うとね」
「その隠蔽を見破るべきやったな」
「ステータスをね」
「そしてその星のモンの力でな」
「枢軸は押し切ったから」
引き分けに持ち込んだというのだ。
「あたい達としてはね」
「反省すべきことやな」
「ほんまにね、国力に軍の規模に装備で圧倒して」
「星のモンの数でもな」
「そやけどね」
「ここまで揃っててもな」
「星の子達の質がよ」
それがというのだ。
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