神々の塔
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第七十二話 四つ目の神その一
第七十二話 四つ目の神
今一行は古代メソポタミアの街の中を思わせる階の中を進んでいた、中里はその中で周囲を警戒しつつ言った。
「今度の神霊さん達はメソポタミアか」
「そっちの神々や」
芥川が答えた。
「それもや」
「主神格のやな」
「そや、そして実際にな」
芥川はさらに話した、彼も周囲を警戒している。
「主神も出て来るで」
「そやねんな」
「メソポタミアでは神々が代替わりしてな」
「主神も交代するな」
「これはギリシアでもあるけどな」
この神話の神々もというのだ。
「そやけどな」
「ああ、ゼウス神の前はな」
「クロノス神やったな」
「その前はウラノス神やったな」
「その都度権力闘争があってな」
神々の間でだ、ギリシア神話ではそれが親子の争いそれも代々のものであったのはこの神話のはじまりでもある、
「代替わりしてるわ」
「そやな」
「それでや」
さらに言うのだった。
「メソポタミアの神々もな」
「代替わりしてるな」
「こっちは年齢、衰えでな」
それによってというのだ。
「代替わりしてるわ」
「そやな」
「エジプトと同じや」
「ラー神の後はホルス神が主神になってたな」
「ラー神が衰えてな」
やはりそれは年齢によるものだ、神話によっては神々も歳を取るのだ。
「真名をイシス神に知られてな」
「ホルス神の母神のな」
「それでそこからや」
「無理に禅譲させられる形でな」
「代替わりしてるわ」
エジプト神話でもというのだ。
「そうなってるわ」
「そやな」
「それを見ると神々の代替わりはな」
「珍しいことやないな」
「結構あるわ」
世界中の神話でというのだ。
「我が国にしてもや」
「ああ、代替わりしてるな」
「最初に国うみをした神々がおられてな」
そうしてというのだ。
「伊邪那岐、伊邪那美の夫婦神が出て」
「天照大神が出られたね」
綾乃はこの女神の名をここで出した。
「太陽の女神さんが」
「そやな、我が国の歴史も然りやな」
中里は綾乃の言葉にも頷いた。
「神々も代替わりするな」
「そやね」
「主神は」
「そういえば日本は太陽神定まってへんかったわ」
「天照大神さんまでな」
「月も海も」
その二つの場所もというのだ。
「そやったわ」
「月読命、素戔嗚尊までな」
「そこまでが国うみやってんね」
「おおよそのな」
「それで今の日本の主神さんは」
「天照大神さんになるな」
「皇室の祖神でもあられる」
綾乃は天照大神のこのことも話した、このこともあって日本神話でこの女神は極めて重要な女神であるのだ。
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