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八条学園騒動記

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第七百五十八話 偉いと思えるのはその四

「目的か」
「違いますね」
 セーラもその通りと頷いた。
「それは」
「そうだな」
「本は面白いから読み」
「楽しむな」
「また知識を得て」
「教養を高めてな」
「人格もです」
 こちらもというのだ。
「高めるもの、まして借りた本にです」
「偉そうに言うのはな」
「書いた人を見下し」
 そうしてというのだ。
「偉そうに批評するだけなら」
「読む意味がないな」
「かえってです」
 それこそというのだ。
「読んでも害になるだけです」
「そうだな、借りた本を粗末にする奴がいたが」
 ダンは自分が知っている輩の話もした。
「そいつは昔相だったらしいが」
「今はどうしていますか」
「スポーツ選手でもアーチストでもないが」
 それでもというのだ。
「見える場所に入れ墨を入れている」
「身体の」
「手首にな」
「連合で見える場所にそれは」
 入れ墨を入れることはとだ、セーラも言った。
「最早」
「まともな仕事には就けない」
「そうですね」
「即刻だ」
 入れ墨を入れていることが見えた時点でというのだ。
「面接で落とされる」
「そうなりますね」
「まともな企業からはな」
「では」
「どう見てもな」
「まともなお仕事をしていないですね」
「在宅でもな」
 こちらの仕事でもというのだ。
「そんな奴はな」
「お仕事に出ますか」
「見えているところに入れ墨を入れる」
「そんな風では」
「もうな」
 それこそというのだ。
「連合ではな」
「マウリアもでしょ」
 エイミーはセーラに尋ねた。
「まともな人はね」
「マウリアで入れ墨はあまり」
 セーラはすぐに答えた。
「ないですね」
「そもそもなの」
「はい、私も興味はないですし」
 入れ墨にはというのだ。
「マウリア全体で」
「入れ墨は少ないのね」
「そうです、そしてエウロパも」
 セーラはエウロパへの留学経験もありかつ交流は今も続いている。これは連合の者ではないことだ。
「少なくとも貴族の方は」
「入れ墨入れないの」
「それは野蛮とです」
 その様にというのだ。 
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