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ハッピークローバー

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第百三十二話 餓鬼にならないならその九

「尊敬出来るわね」
「心からね」
「布施餓鬼も」
 かな恵はまた言った。
「ただ何もなくね」
「出来ないわね」
「碌でもない人がなるってわかって出来ていたら」
「図々しくて尊大で恩知らずな人でも」
「しかも恥知らずみたいだし」
「おまけに器が小さくて無神経」
 今話している輩のことを徹底的に話すのだった。
「ケチで粗暴でって」
「そんな風なのにね」
「何をしてもよくならないのに」
「そんな人にお布施とか」
「出来るのって相当よ」
「そう出来る人が本物?」
 理虹は首を傾げつつ話した。
「人として」
「本当に凄い人?」
「人ですらなくなっていて」 
 餓鬼になり果てていてというのだ。
「浅ましいことこの上ないのに」
「お布施出来るとか」
「凄いことよ、人であるうちも」
 その間もというのだ。
「何してもね」
「やっぱり感謝しないで」
「それでね」 
 そのうえでというのだ。
「働かないし」
「人の為に何もしない」
「自分だけの人でもね」
「何とかしようとするって」
「感謝もされないのにね」
 そうであるがというのだ。
「出来るってね」
「凄い人ね」
「はっきり言って私も無理だから」 
 理虹はきっぱりとした口調で言い切った。
「そんな人家族でもね」
「見捨てるわね」
「だって更正しないでしょ」
「感謝もしないでね」
「それで図々しくてふんぞり返ってるだけって」
「理虹ちゃん図々しい人嫌いだしね」
「ふんぞり返ってる人もね」
 そうした輩もというのだ。
「だからね」
「尚更よね」
「そうした人大嫌いで」
 そうであってというのだ。
「本当にね」
「お布施なんて出来ないわね」
「ええ」
 実際にというのだ。
「何があってもね」
「そうよね」
「餓鬼なんてね」
「そうした人がなるから」
「もう勝手にね」
 それこそというのだ。
「餓えて渇いてね」
「苦しめばいいわね」
「そうよ」
 かな恵に強い声で答えた。
「本当にね」
「酷い人だと」
「あのね、理不尽ってあるのよ」
 理虹はかな恵にどうかという顔で話した。
「頑張ってる人が報われない」
「あるわね、どうしても」
「何かが足りなくてね。そうした人はね」
「助けないと駄目ね」
「ええ」
 まさにというのだ。 
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