金木犀の許嫁

「やはりできればです」
「いい環境で学ぶことですね」
「楽しい思いが出来て楽しく成長出来るなら」
　それならというのだ。
「それが最善です」
「だからですね」
「はい、ですが」
　それでもというのだった。
「一つ思うことは」
「何でしょうか」
「里帰りで大阪に行きますが」
「それで難波に寄られますね」
「はい、ですが」
　それでもというのだ。
「思えば暫く振りです、大阪に行くのは」
「そうですか」
「ずっと日本にいなかったので」
「大阪に行くこと自体がですね」
「ありませんでした、蛸もです」
「食べることがですか」
「ありませんでした」
　こう真昼に話した。
「そうでした」
「蛸食べる国少ないですね」　
　真昼はこのことを知っていた、実は烏賊もそうであり食べられるとは思っていない国も多いのが現実だ。
「ましてたこ焼きなんて」
「ありません」
「そうですね」
「大阪名物の一つですが」
　たこ焼きはというのだ。
「そのたこ焼きもです」
「長い間ですか」
「食べていませんでした」
「そうだったんですね」
「そうでした、神戸に帰って」
　そうしてというのだ。
「実はすぐにです」
「たこ焼きをですか」
「いただきました」
「そうだったんですね」
「はい」
　まさにというのだ。
「そうでした」
「そうだったんですね」
「蛸は好きでして」
　幸雄はさらに話した。
「たこ焼きはです」
「特にですか」
「好きでして」
　そうしてというのだ。
「お酒のおつまみにもです」
「されますか」
「はい、お刺身も好きです」
「蛸の」
「カルパッチョもで。唐揚げにしましても」
　こちらもというのだ。
「好きで茹でても酢だこも」
「どれもお好きですね」
「そうです、ですから」　
　それでというのだ。
「よく食べますが」
「日本におられる時は」
「そうでしたが」
「海外だとですね」
「あまりです」
　これといってというのだ。