金木犀の許嫁
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第二十三話 里帰りその十一
「そちらの努力はね」
「されていないですか」
「自分でそう思ってるわ」
「そうですか」
「本当にね」
「運動は、ですか」
「私苦手で」
そうであってというのだ。
「好きでもないの」
「どんな運動もですか」
「そうなの」
白華に正直に答えた。
「そちらはね」
「誰でも不得意はあります」
幸雄がここでまた言ってきた。
「そして好き嫌いもです」
「ありますね」
「はい」
白華に優しい声で答えた。
「どうしても。ですから」
「夜空さんが運動が苦手で」
「お好きでなくとも」
そうであってもというのだ。
「別にです」
「悪いことじゃないですね」
「家事にお勉強を頑張っておられ」
そうしてというのだ。
「部活も頑張っておられますね」
「料理部でして」
夜空は幸雄に答えた。
「好きなので」
「頑張っておられますね」
「出られる日はいつもです」
それこそというのだ。
「出る様にしています」
「料理お好きですね」
「大好きです、それに部活の雰囲気もです」
「いいですか」
「先輩も同級生も荒廃も皆いい人で」
そうであってというのだ。
「顧問の先生もです」
「同じですね」
「はい」
そうだというのだ。
「とても」
「環境もいいなら」
「余計に行っていいですね」
「いい環境でことが出来れば」
そうであるならというのだ。
「それに越したことはありません」
「そうですね」
「自分から行きたくなる部活に所属している」
「それは幸せなことでしょうか」
「間違いなく、ですから」
それでというのだ。
「是非部活にもです」
「行ってですか」
「楽しんで下さい」
「わかりました」
「いい環境ならいいことが学べます」
「そうなるんですね」
「容易に、ただ」
ここで幸雄はこうも言った。
「悪い環境でもです」
「いいことが学べますか?」
「はい」
そうだというのだ。
「それはそれで」
「そうですか」
「嫌な思いをすることもです」
「経験なんですね」
「嫌な人を見ることも」
そちらもというのだ。
「それはそれで、です」
「経験であって」
「後で糧になります、ですが」
それでもというのだった。
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