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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその十一

「それではな」
「さらにですね」
「そこからさらに求められますね」
「そしてさらに大きなことを為されますね」
「それが服主席ですね」
「私はただ革命を成功させるだけではない」
 アウトカースト層のそれをというのだ。
「そこからだ」
「さらにですね」
「その統治を盤石なものにし」
「続く様にする」
「そうお考えですね」
「一瞬だけマウリアを支配してもだ」
 それが成ってもというのだ。
「所詮は徒花だ」
「左様ですね」
「革命が実現してもです」
「それが一瞬で終わればです」
「所詮それまでです」
「それだけのことです」
「何でもありません」
 周りも口々に言った。
「それで終われば」
「歴史でもそう書かれます」
「所詮はそこまでだったと」
「一瞬の支配だけで終わったと」
「玉座を温めず死んだ皇帝は多い」
 即位してもというのだ。
「そうはならない、私は皇帝ならばな」
「その玉座に長く座られ」
「王朝の統治を長く続く様にする」
「そうされますね」
「むしろそこからですね」
「創業と守成両方を為し」
 そしてというのだ。
「それこそ千年でも二千年でもだ」
「アウトカースト層がマウリアの中心にある様にする」
「何千年も虐げられた者達が」
「そうなる様にしますね」
「これからは」
「そうだ、何千年も虐げられたのならだ」
 そのカースト制によってというのだ。
「逆にだ」
「何千年も支配する」
「そうなる様にしますね」
「副主席としては」
「それが望みですね」
「私にとって主席になることは何でもない」
 難しくとも何ともないというのだ。
「それこそな」
「左様ですね」
「副主席の資質ならば」
「そうしたことは何でもなく」
「それからもですね」
「ことを進められますね」
「皇帝になる」
 再びこう例えた。
「それで終わりか」
「違いますね」
「むしろこれからですね」
「問題はそうですね」
「そこからのことですね」
「そうだ、今の私にとってはな」
 マウリアの副主席になった今はというのだ。
「それだ、間もなく創業に入るのだ」
「ならですね」
「そこから我等の支配を定め」
「それが続く様にする」
「そうなりますね」
「そうだ、私は創業だけの人物に留まらない」
 俗に王朝では創業の者こそ最も尊いとされる、漢においても高祖である劉邦がそう定められていた。 
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