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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその六

「まさに第三身分がフランスを支配する様にな」
「そうですね」
「暴力は使いませんが」
「政権に入りそして進める」
「そうした革命です」
「私は今は副主席だ」
 マウリアのそれになったことを言うのだった、言うまでもなくマウリア第二の地位にあり国政に対して非常に大きな権限を持っている。
「しかしだ」
「それは今の時点で」
「先はですね」
「クリシュナータ主席から禅譲を受け」
「そしてですね」
「国家主席になられ」
「私自らの手でだ」
 国家主席になった手でというのだ。
「革命を進める」
「そうされますね」
「革命は暴力で下から行うよりも」
「頂点に立ち進める」
「その方が行いやすいですね」
「そもそも暴力で下から行うのは何故か」
 革命のごく初期の段階でというのだ。
「それは自分達の要求を認めさせるだけでなくだ」
「権力の座に就く」
「それが目的でもありますね」
「その時権力にある者達を倒し」
「自分がなる為ですね」
「そして革命を進めるのだ、だが」
 それでもというのだ。
「我々は既に政府に入っている」
「そのうえで権力の座にある」
「マウリアのその立場に」
「だからですね」
「もう暴力を振るう必要はなく」
「革命を進めていますね」
「そしてより進める為に」
 自分達の革命アウトカースト層によるマウリア支配をというのだ。
「エウロパの教育改革を採り入れ」
「これはというものは」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「人材を育て」
「その人材で、ですね」
「我々は革命をさらに進め」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「さらにですね」
「革命を浸透させ」
「アウトカースト層の支配を盤石なものにし」
「揺るがないものにしますね」
「カーストに苦しめられているのなら」
 アウトカーストこそカーストの最たるものだ、カーストの外にあるとされているからこそ迫害されてきた。それがジャバルと彼の同志達の考えだ。
「そのカーストによってだ」
「我々はですね」
「マウリアを支配出来る様になる」
「そうなりますね」
「これからは」
「そうだ、これまで不可触とされてきたが」
 穢れているとされているからだ。
「しかしだ」
「それはですね」
「これからは穢れがあるのではなく」
「穢れがない」
「尊いから触れない」
「そうなりますね」
「何が穢れだ」
 ジャバルはこの言葉を忌々し気に出した。 
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