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第百三十話 寮生の弁当その三

「あの銅像はね」
「そのお散歩の相手ね」
「周りが心配して」
 西郷の肥満をだ。
「それでよ」
「西郷さん犬と一緒に歩いて」
「痩せたのよ」
「そうなのね」
「だからね」 
 西郷の逸話を見てもというのだ。
「お散歩はね」
「いい運動ね」
「そうよ、だから私もね」
「歩くのね」
「それで身体動かして」
「お腹に入ったもの消費するのね」
「そうよ、それであんたは」
 一緒に歩きつつ話した、学園の敷地内をそうしている。
「気が向いたから」
「気分転換でね、ずっとクラスの方にいても」 
 そうしてもというのだ。
「何かだるくなるし」
「それで歩いてるのね」
「そうなの、あんたと会うとは思わなかったけれどね」
「私もよ、けれど会ったのは縁ね」
「そうよね、じゃあ一緒にね」
「暫く歩く?」
「そうする?」 
 鹿児島の娘に問い返した。
「これから」
「私はいいわよ」
「私もよ、それじゃあ」
「一緒にね」
「歩きましょう」
 こう話してだった。
 二人で一緒に学園の中を歩くことにした、その中で理虹は鹿児島の娘に対して花壇の間の道を歩きつつ尋ねた。
「あんた方言あまり強くないわね」
「この学園に来て長いからね」
 理虹に微笑んで答えた。
「だからね」
「方言も弱いの」
「こっちの方言にはなっていないけれど」
 神戸即ち関西のというのだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「やっぱり鹿児島を離れて長いとね」
 それならというのだ。
「どうしてもね」
「方言も弱まるのね」
「そうなるわ、鹿児島弁って癖が強いけれど」
「訛り凄いわよね」
「けれどね」 
 それでもというのだ。
「やっぱり離れて長いとね」
「弱まるのね」
「ええ、それに昔の鹿児島弁と比べたら」
「今の鹿児島弁はかなりよね」
「訛り弱くなっているから」
 そうだというのだ。
「まだわかりやすいわよ」
「そうらしいわね」
「いや、ひいお祖父ちゃんがね」
「鹿児島におられるのよね」
「この人の鹿児島弁なんて」
 それはというと。
「まだ昔のだから」
「今も喋られる人いるの」
「凄く少なくなったけれどね」 
 それでもというのだ。
「ひいお祖父ちゃんは喋られて」
「わからないのね」
「地元の人が聞いてもね」
「あんたもよね」
「勿論よ」
 一も二もないという返事だった。 
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