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第百三十話 寮生の弁当その一

                第百三十話  寮生の弁当
 昼食の自分のお弁当を食べてだ、理虹は気分転換に少し一人でグラウンドを歩くことにしたがここでだった。
 同じ部活の鹿児島から来た娘と会ってだ、こう言われた。
「あんた何してるの?」
「いや、ちょっと気分転換でね」 
 理虹は鹿児島の娘、長身で細面で黒髪をポニーテールにしている細い目でスタイルのいい彼女に答えた。
「お散歩してるの」
「そうなの」
「ただそれだけよ」
「何でもないのね」
「ええ、そう言うあんたは?」
「腹ごなしよ、競技お昼になってすぐなのに」 
 それなのにとだ、鹿児島の娘は理虹に話した。
「食べ過ぎたからね」
「食べ過ぎたら身体重くなってね」
「動きが鈍るでしょ」
「どうしてもね」 
 理虹はその通りだと答えた。
「そうなるわね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「今はね」
「お散歩してなの」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「運動してね」
「消化促進させてるのね」
「寮からお弁当出たけれど」
「寮生はお昼そうよね」
「いつも量がね」
 それがというのだ。
「相当にね」
「多いわよね」
「皆育ち盛りだからね」
 そうした年齢だからだというのだ。
「よく食べるから」
「それでよね」
「寮のおばちゃん達もね」
「ボリューム多くしてくれるわね」
「実際皆よく食べるしね」
「うちの学園の子の特徴よね」
「あんた達自宅生もよく食べるし」
 理虹に笑って話した。
「私達寮生もね」
「よく食べるから」
「それで今日もね」
「お弁当のボリュームがあって」
「その分身体が重くなったから」
 それでというのだ。
「歩いてるのよ、こうしてね」
「いいことね、私そこまで考えてなかったわ」
「あんたは競技出たの?」
「午後だけれど結構後なのよ」
 自分が出る競技はというのだ。
「だからそこまではね」
「考えてなかったの」
「そう、ただ気分転換でね」
「歩いてるだけね」
「そうなの、ただ同じお散歩だから」
「ちゃんと運動になってね」
 それでとだ、鹿児島の娘は理虹に答えて話した。
「腹ごなしになるわよ」
「そうよね」
「それでね」
 理虹にさらに話した。
「競技もね」
「運動した分身体が軽くなって」
「よく動けるわよ」
「そうよね」
「いや、お腹一杯食べることはいいことだけれど」
 それでもというのだった。 
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