博士の挑戦状
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第百五十話
第百五十話 上はそのままでいい
美奈子は自分の牛乳を一口飲んでからまた話した、話を聞く華奈子も自分でコップに牛乳を入れて飲んでいる。
「上は別にね」
「体操服は」
「変わってないし」
昔からというのだ。
「今もね」
「そのままでいいわね」
「どう変えるのか」
体操服の上をというのだ。
「考えられないし」
「そうよね」
華奈子も確かにという顔で頷いた。
「体操服はね」
「ブルマは嫌でも」
それこそ絶対にというのだ。
「そうであっても」
「上はいいわね」
「それでね」
「体操服に反対する人はいないでしょ」
華奈子もそれはと答えた。
「普通に動きやすいし着心地いいし」
「何よりも変な目で見られないから」
「そうだとね」
それならというのだ。
「もうね」
「誰も反対しないわね」
「あたしもよ」
華奈子は自分もと話した。
「これといってね」
「体操服の上はそのままでいいわね」
「代わりに何も思いつかないわ」
「体育の授業の時は」
「ジャージ位しかね」
体操服の上が駄目ならというのだ。
「ないでしょ」
「思いついてない?」
「いや、今咄嗟にで」
そうであってというのだ。
「さっきまではね」
「代わりに何も思いつかなかったの」
「ええ」
そうだったというのだ。
「本当にね。けれどジャージじゃなかったら」
「体操服ね」
「それ位しか思いつかないわ」
「じゃあ基本は」
「やっぱり白い体操服でしょ」
「体育の授業の時は」
「そうでしょ、夏も冬もね」
こう美奈子に話した、そうして自分のコップに牛乳を入れて飲んだのだった。
第百五十話 完
2024・3・15
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