金木犀の許嫁
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十九話 ハンデその十
「物凄かったのよ」
「確か近親婚で」
「そう、それでね」
顔を暗くさせた白華に自分も顔をそうさせて話した。
「親戚同士で結婚して」
「物凄いことになりましたね」
「イギリスにはあまり入らなかったけれど」
フェリペ二世が女王メアリと結婚したことはある。
「あそこはね」
「有名ですね」
「もう遺伝がね」
これがというのだ。
「出てね」
「スペインの娘が言ってました」
白華は友人の一人から聞いた話をした。
「面長で鷲鼻で」
「顎がね」
「出ていますね」
「下のね、その血がね」
「受け継がれましたね」
「今のスペインの王様も」
「あっ、写真見ますと」
白華はすぐに応えた。
「下顎が」
「出てるでしょ、貴族同士もっと凄いと親戚同士でばかりね」
「結婚しますね」
「こっちの貴族はね、それでね」
その為にというのだ。
「混血しないのよ」
「日本人と違って」
「もうはっきりとね」
それこそというのだ。
「民族がね」
「分かれていますね」
「そういうのもないでしょ」
「日本には」
「皇室の方でも渡来人と結婚されてるじゃない」
「聖徳太子のお母上も」
「混血していて」
そうであってというのだ。
「皇室もそうで」
「それがですか」
「差別の度合いの低さにもね」
それにもというのだ。
「出ていると思うわ」
「そうですか」
「私が思うにね」
「そうなのですね」
「日本人は全部皇室から出てるともいうし」
「源平藤橘ですね」
白華は即座に答えた。
「言われていますね」
「そのことからもね」
「差別は少ないですか」
「そう思うわ」
「そうですか、ただ」
ここで白華はこう話した。
「そうでないお家もありますよ」
「そうなの」
「真田家はです」
自分達の先祖が仕えていた家がというのだ。
「山の民の出の様で」
「今も何処かにいるっていう」
「はい、あの人達の出で」
そうであってというのだ。
「その四つの家とはです」
「関係がないの」
「そう言われています」
「そうなのね」
「そうした家もあります」
そうだというのだ。
「日本には」
「そうなのね」
「どうもです」
白華は首を傾げさせつつ話した。
ページ上へ戻る