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金木犀の許嫁

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第十九話 ハンデその九

「そう言っていいわよ」
「では被差別部落の人達も北朝鮮なら」
「もう徹底的にね」
「差別されているかも知れないですか」
「食べものも」
 その供給もというのだ。
「なくて」
「死ねというですね」
「そうでしょ、あの国に人権なんてないし」  
 世界で最も人権を無視した国ではないかと言われている程だ。
「それじゃあね」
「日本にはあります」
「ちゃんとね」
「そこまで考えますと」
「ましよ」
 白華に対して断言した。
「断然ね」
「そうですか」
「ええ、ただね」
 アイルランドの娘はこうも言った。
「日本人って混血してるわね」
「はい」
 白華も否定しなかった。
「縄文人と弥生人の混血ですね」
「そうよね」
「そしてアイヌ系の人の血もです」
 そちらもというのだ。
「入っていますね」
「渡来した人達も」
「何でもです」
 白華はアイルランドの娘に考える顔で話した。
「蒙古斑ですが」
「子供のお尻に出る」
「あの青い痣はです」  
 これはというのだ。
「尻尾の跡だそうですが」
「あの痣になにかあるの」
「アイヌの血が入っていると」
 そうであればというのだ。
「出るそうです」
「そうなのね」
「はい、日本人は混血しています」
 確かにというのだ。
「色々な民族の血が入っていますね」
「そう言っていいわね」
「まそれを言いますと」
 白華はアイルランドの娘に話した。
「どの国もですね」
「イギリスもね」
「そうですよね」
「アイルランド人もよ」
「やっぱりそうですね」
「けれどね」
 それでもとだ、アイルランドの娘は白華に話した。
「貴族はね」
「イギリスの、ですか」
「上流階級って民族違うのよ」
「アングロサクソンじゃないですね」
「それはイングランドの平民の人達ね」
「フランスから来た」
「そう、ウィリアム征服王からのね」
 この王からというのだ。
「欧州全体がそうだけれど」
「ゲルマン系の民族ですね」
「バイキングも入るわね、貴族は貴族同士で結婚して」
 そうしてというのだ。
「混血しないのよ」
「そうですか」
「だからハプスブルク家なんてね」
 神聖ローマ帝国皇帝からオーストリア皇帝になったこの家もというのだ、欧州随一の名門として知られている。 
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