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星河の覇皇

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第八十六部第四章 エウロパが受けた衝撃その十九

「この世、エウロパに貢献しているのだ」
「だからですか」
「それぞれの職業で全力を尽くす」
「己の才能を全て出す」
「そしてエウロパに貢献すべきですか」
「そうも考えている」
 それが大事なことだというのだ。
「まさにな」
「だからですか」
「それぞれの職業で全力を尽くす」
「そうすべきですか」
「才能や技量を磨き」
「そのうえで」
「そうすべきだ、少なくとも納税はしてだ」
 そしてというのだ。
「この世の役に立っている」
「それだけでもですか」
「その仕事で働いているだけでもですか」
「世の役に立っていますか」
「それだけでも違う、そしてだ」
 それでというのだ。
「そこからだ」
「さらにですね」
「その才能と技能をエウロパの役に立てる」
「そうしたものを磨いていき」
「そしてですね」
「そうだ、例えばバイオリン奏者なら」
 この職業ならというのだ。
「パガニーニになることだ」
「あの天才バイオリストですか」
「伝説とさえなっている」
「あの芸術家を目指し」
「人々をその音楽で喜ばせ」
「そう言われますか」
「その喜びが人の心を晴れやかにし」
 そしてというのだ。
「仕事をよくしてくれる、だからな」
「バイオリンもですね」
「己の才能と技能を磨く」
「そうすべきですね」
「人として」
「そうすることだ、ロックでもだ」
 尚フレッセルはこのジャンルの音楽には造詣は浅い、貴族の聴く音楽はクラシックという考えがエウロパには強く彼もそれに倣っているからだ。
「演奏するのならな」
「頂点を目指す」
「そしてその見事な音楽で人を喜ばせる」
「そうすべきですか」
「そうだ、私は詳しくないが」
 自分でもこのことを話した。
「ビートルズだな」
「ビートルズですか」
「あの伝説のグループですか」
「二十世紀後半のイギリスの」
「リバプールから出たグループですね」
「私でも知っている」
 ロックに詳しくない自分でもとだ、フレッセルは話した。
「それだけの者達だな」
「今もリバプール星系では中心にありますね」
「街から星系になっても」
「神々にさえなっていてです」
「音楽の神々として崇拝すらされています」
「それだけの者達にだ」
 四人の像も神殿にある、マッシュルームカットでスーツを着てそれぞれの楽器を持った姿でそうなっている。 
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