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怖い叔母さん

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第二章

「それも強引に」
「大丈夫かしら」
「果たして」
「あんた達みたいに見捨てないよ」
 だが稲穂は彼等を一喝する様に言った。
「年頃の娘を。だから来な」
「う、うん」
「少なくとも一人じゃないよ」 
 姪に言って自分の家に入れた。その家はというと。
 銀座のタワーマンションだった、かなりの部屋だった。稲穂は愛奈をその家の中に入れてから言った。
「ここなら安全だね」
「叔母さん、私ここで住むの」
「そうだよ、今日からね」
「お部屋は」
「私の部屋はもうあるからね」
 だからだというのだ。
「空いている部屋からだよ」
「好きなお部屋選んでいいの」
「暫く家具ないならね」
 稲穂はそれならと言った。
「暫く居間で布団敷いてね」
「そこでなのね」
「寝な、そして」
 そうしてというのだ。
「服も届けるんだよ」
「このお家に」
「そうしな、そして本格的にね」
「このお家で暮らすのね」
「二人でね」
 こう言ってだった。
 稲穂は愛奈を強引と言っていいまでに自分のタワーマンションの中の部屋に住ませた。愛奈は暫く居間で布団を敷いてほぼ着の身着のままであったが。
 すぐに前の家から家具も服も着た、そうして自分がここでと言った部屋に入ってそこで暮らしはじめた。
 家事は稲穂が言った通りに半分ずつ、愛奈は家事は両親と一緒に暮らしていた時から掃除も洗濯も料理もしていたので問題なかった。稲穂も愛奈の家事はいつもいい感じだよと言うだけだった。
 しかしだ、愛奈は稲穂が学費を出すことには驚いて言った。
「あの、お父さんとお母さんの保険金があるから」
「いいんだよ」
 稲穂は平然として返した、稲穂は部屋の中では洋服だが露出は少ないスラックスとシャツを着ている。
「今は私が保護者だからね」
「だからなの」
「出してあげるよ、お金はあるんだ」
 だからだというのだ。 
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