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星河の覇皇

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第八十六部第四章 エウロパが受けた衝撃その十

「我々は勝てない」
「人口では劣っています」
「それも圧倒的に」
「そのことを考えますと」
「彼等を侮ると、ですね」
「所詮人間ではないか」
 フレッセルは身振り、手のそれを交えて話した。
「同じな」
「それならですね」
「能力は大して変わらない」
「そういうものですね」
「国によって人が劣るならだ」
 それならというのだ。
「こんな楽なことはない」
「それはですね」
「もうないですね」
「有り得ないですね」
「同じ人間なら」
「エウロパに産まれただけで優秀ならな」
 フレッセルはさらに話した。
「教育もだ」
「然程重要でないですね」
「今程は」
「それで、ですね」
「男爵にしてもですね」
「代々教育に関わることはだ」
 そうしたことはというのだ。
「ない」
「左様ですね」
「もうそれならです」
「教育にここまで力を入れず」
「それで、ですね」
「難しくはないですね」
「そうだ、そもそも我々は長い間彼等の後塵を期してきている」
 連合のというのだ。
「何もかもな、十九世紀や二十世紀は違ったが」
「それ以降はそうでしたね」
「二十一世紀からは」
「もう彼等に圧倒されました」
「そうなりました」
「そしてだ」
 フレッセルはその目を真剣なものにさせて言った。
「それ以前もだったな」
「ですね、モンゴルに負けてです」
「そしてイスラムにもでした」
「中国は圧倒的でしたし」
「そう考えると」
「我々の優秀さなぞだ」
 白人至上主義に基づくそれはというのだ。
「一時の妄想だ」
「そうしたものでしたね」
「所詮は」
「ほんの一時期のそれで」
「何でもないものでしたね」
「そうだった」
 緒戦はというのだ。
「だから私としてはだ」
「教育ですね」
「それに力を入れて」
「そして優秀な人材を育てる」
「そして連合を凌駕する」
「決して愚かではない彼等を」
「そうしていこうというのですね」
「そうだ、だからこの改革でだ」
 ギルフォードのそれでというのだ。
「行くべきであると思う」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「エウロパを人材面でも強くし」
「そして連合に対していく」
「そうお考えですか」
「そうだ、そしてだ」 
 周りの者達にさらに話した。 
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