星河の覇皇
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第八十六部第三章 学園の理事長としてその五十八
「七十年というとな」
「その百年の間のことですね」
「人類の歴史では短い間だ」
「長い様でいて」
「何しろ人間の平均寿命より短いのだからな」
「まさに僅か七十年ですね」
「その七十年の間にだ」
まさにというのだ。
「エウロパは連合に追いつける」
「そしてさらにですね」
「追い越すこともだ」
そうなることもというのだ。
「可能だ」
「そうなのですね」
「だから油断してはならない」
決してというのだ。
「彼等の発展よりもだ」
「我々は常に先を行く」
「間違っても白人至上主義の様な思想を持てば」
「根拠なく相手を劣っていると信じ込み」
「そして相手が永遠に我々に追いつけないなぞ思っては」
かつての白人至上主義者の様にというのだ、この考えの様なものがどれだけ愚かだったことかは歴史で証明されている。所詮差別思想なぞ根拠がない愚かな偏見でしかないということをそうしているのだ。
「それこそだ」
「追いつき追い越される」
「そのもとだ」
「そうなのですね」
「だからだ」
「我々としては」
「彼等を反面教師としてだ」
白人至上主義者を代表とする差別主義者達をというのである。
「そしてだ」
「ことを進めることですね」
「相手を決して侮らずな」
「発展を続けるのですね」
「それが最善だ」
連合にとってというのだ。
「まさにな」
「そうしていきますか」
「これからもな、ではだ」
「そのことを頭から捨てず」
「ことを進めていこう」
「それでは」
由良も頷いた、そしてだった。
二人は共に無花果を食べ終えると休息に入った、そうして次の日に向けて英気を養うのだった。
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