星河の覇皇
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第八十六部第三章 学園の理事長としてその五十七
「そこからな」
「追い越すこともですね」
「出来る」
それが可能だというのだ。
「それもな」
「左様ですね」
「ローマは最初は未開国だった」
大帝国だったこの国はというのだ。
「しかしギリシア文化を学び技術もだ」
「発展させ」
「大帝国となった」
「今のエウロパの土台となるまでに」
「そうだ、最初は未開国でだ」
共和制の頃は質実剛健の気風でまだそうした風であったのだ。
「そしてだ」
「技術もですね」
「北のケルト族よりは上でもな」
「然程ではなく」
「カルタゴやギリシアと比べるとな」
「劣っていましたね」
「かなりな、だがな」
それがというのだ。
「彼等の技術を手に入れ」
「そして学び」
「そしてだ」
「そのうえで」
「ああなった」
「世界に冠たる国に」
「そうなった、一日にして成らなかったが」
ローマは一日にして成らずである、この国が世界帝国になるにも歳月がかかったのだ。どの様なものも最初から大きい訳ではないのだ。
「そうなった、最初は小国で技術的には未熟でもな」
「発展してそうなりますね」
「エウロパも然りだ」
この国もというのだ。
「同じだ、ローマが土台になっているという訳ではなくな」
「どういった国もですね」
「今私が言った通りにな」
「発展しますね」
「そういうことだ、だから私は決してだ」
最後の一つの無花果を食べる由良に話した。
「あの国は侮らずだ」
「そのうえで、ですね」
「国防戦略を考えている」
「そうされていますね」
「七十年もあれば」
それだけの歳月があればというのだ。
「エウロパは人口や総生産は兎も角な」
「技術やシステムにおいては」
「我々に追いつける」
それが可能だというのだ。
「それだけでな」
「短いですね、七十年ですか」
「人間の一生は百年だ」
この時代の連合ではそうなっているから出した言葉である。
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