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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその四十七

「存在しない」
「タイムマシンは」
「だが常にだ」 
 政府にはなくとも、というのだ。
「その存在は噂されている」
「誰かが持っていて」
「そして使っているとな、だからタイムマシンはな」
「存在はですね」
「しているかも知れない」
 八条はこのことを否定しなかった。
「そしてそれを使うタイムトラベラー達もだ」
「存在している」
「その可能性はある」
 こう言うのだった。
「そしてその彼等の言う未来通りになることはだ」
「ないですか」
「これはその未来を聞いてだ」
 そしてというのだ。
「人が悪い未来ならだ」
「変えようとする」
「その為にだ」
「タイムトラベラー達の言う未来にはならない」
「そうではないか、例えばロベスピエールが出なければ」
 フランス革命の時にというのだ、この決して腐敗せずそのうえでひたすら革命の敵をギロチン台に送った独裁者がだ。
「フランス革命では多くの血が流れずだ」
「違ったものになっていましたか」
「国王もだ」
 ルイ十六世もというのだ。
「王妃にしても」
「ギロチン台に送られることなく」
「そしてだ」
「革命は違ったものになっていた」
「フランス革命は素晴らしいものではなかった」
 人類の歴史を明るく変えたものではないというのだ。
「多くの血が流れてしまった」
「それが事実ですね」
「そうならなかったかも知れない、そして殺されなかった命の分だ」
「可能性があったのですね」
「ルイ十七世もだ」
 ルイ十六世の子である、王が処刑された時に王になったとブルボン家ではされた。そして続いていたというのだ。
「あの様にだ」
「虐待されてですね」
「幼くして亡くなることはなかった」
「そうだったのですね」
「可能性としてな、そして歴史もな」
 それもというのだ。
「違っていたものになったかも知れない」
「そうですか」
「ナポレオンも出たかどうか」
 この英雄もというのだ。
「果たしてだ」
「わからないですか」
「そして後世の歴史もな」
「ナポレオンが出なかった分」
「わからなかった」
「そうですか」
「未来な運命があるというが」
 八条は今度は運命論を話に出した。
「しかしだ」
「その運命は」
「一つではなくな」
「無数に存在している」
「そういうものかも知れない、だからだ」
「運命があろうとも」
「必ずそうなるとはな」
 その様にとはというのだ。 
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