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八条学園騒動記

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第七百四十八話 球種は三つだけその五

「それを最大限に使うとな」
「武器は一つでもなのね」
「かなりいける」 
 そうだというのだ。
「だからな」
「今も一つの球種でもやっていけるのね」
「そうなるな」
「武器があるとな」
 タムタムは話した。
「それをバッターは警戒するな」
「あるだけでね」
「それで何時来るかと思ってな」
 そうしてというのだ。
「警戒して他の球種にだ」
「下手に手を出してなのね」
「打ち取られたりとかもな」
「あるのね」
「そしてその武器が来たらだ」
 その時はというのだ。
「打てずな」
「やられたって思うのね」
「そうなるからな」
「いいのね」
「シンカーにしてもな」
 さっきフランツが言ったピッチャーの話をした、尚タムタムはそのピッチャーのことは実は知らない。
「来ると思うとな」
「身構えるわね」
「そして他の球種が来てもな」
「シンカーに気を取られて」
「後れを取ってな」
 そうしてというのだ。
「打ち取られる」
「そうなるのね」
「そしてシンカーが来てな」
「打ち取られるのね」
「そうなるな」
「凄いボールだとね」
「来たと思ってもな」
 そうであってもというのだ。
「打てないとな」
「余計に駄目だったってなるわね」
「だからだ」
「球種が一つでも凄いなら」
「武器になってな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「活躍出来るのね」
「そうだ、それが三つになるとな」
「コーファックスさんみたいに」
「後は投球の組み立てとな」
 それと、というのだ。
「バッターとの駆け引き次第でだ」
「勝てるのね」
「そうなる」
 こう話すのだった。
「だからコーファックスさんは凄かった」
「球種が三つだけでも」
「その三つ全てが武器だったからな」
「じゃあコーファックスさんは今でも」   
 アンはタムタムに尋ねた。
「凄いのね」
「ああ、バッターとの駆け引きに優れていたらな」
 それならというのだ。
「尚更な」
「そうなのね」
「それで早いうちに引退しなければ」
 コーファックスはそうだったがというのだ。
「そうならな」
「二百勝いけたのね」
「今だとな」
 現役時代が伸びたからだというのだ。 
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