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神々の塔

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第六十五話 塔の空気その十一

「二刀流ですけど居合もです」
「してるな」
「剣術ならあの娘です」
「そうした娘がおるのはええな、学んで遊んでな」
「武道もですね」
「やったらええ、ほなどんどんいくで」
 福沢は刀を抜いた、そして一閃から衝撃波を放った、それで一行を攻め続ける。その彼に対してだった。
 芥川は中里にだ、こう言った。
「神霊さんの居合や、放つ時に立ち止まることもせん」
「そやからやな」
「もうここは放つ放たん以前にな」
 刀の一撃をというのだ。
「もうな」
「攻撃することやな」
「待つんやない」
 敵の攻撃をというのだ。
「こっちからや」
「仕掛けるんやな」
「そや、そして居合は一閃が武器や」
 刀のそれがというのだ。
「あまりにも鋭いそれがな、しかし鋭いと」
「その行く先には強くてもな」
「上下には向かわんな」
「刃そのものやな」
「そや、刃は振った先には鋭いが」
「それ以外の方向にはな」
「一切向かわん」
 その攻撃がというのだ。
「そこが問題や」
「それは福沢さんの居合もやな」
「一閃や、抜いたら基本またや」
「鞘に収める」
「それまで強い攻撃はない」
 そうだというのだ。
「そやからな」
「攻撃する方向以外からやな」
「攻めるんや」
 そうするというのだ。
「ええな」
「それで攻撃は受けんことやな」
「それは無理ってわかるやろ」
「ああ」
 中里もそれはと答えた。
「到底な」
「そやからな」
「かわす、それに徹するんや」
「そうするな」
「かわせんかったら大ダメージを受けるが」
 福沢の一閃がそれだけのものであることはもうわかっていた、既に彼の攻撃を何度も見て受けてきているからだ。
「しかしな」
「そこは術で受けるダメージを最低限にするな」
「防御系の術でな、そしてかわすにしても」
「少しでもかわせる確率を上げるな」
「術でな」
「そうするな」
「そや、そうして戦ってくで」
 福沢、彼とというのだ。 
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