金木犀の許嫁
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第十二話 驕る平家は久しからずその一
第十二話 驕る平家は久しからず
阪神が巨人に二十対零で勝ったことにだ、佐京は微笑んで自分のクラスで言っていた。
「阪神今年も強くて何より」
「っていうか巨人弱過ぎるよな」
「今年も百二十敗ペースだな」
「今十連敗だろ」
「阪神には勝ったことなくてな」
「昔は強かったそうだけれど」
佐京はクラスメイト達に述べた。
「それが今ではああ」
「二十年連続最下位だからな」
「勝率一割台で」
「本当に弱いよな」
「カスみたいに弱いな」
「投手陣はいつも炎上して」
そうなっていてというのだ。
「打線は沈黙エラーは日常」
「走塁ミスも出まくるしな」
「本当に弱過ぎるよな」
「采配も駄目で育成もバツ」
「いいところ何もない」
「そんなチームだよな」
「どうしてああなったのか」
かつての『自称』球界の盟主がというのだ。
「ある意味不思議」
「だから他チームから選手掠め取るばかりでな」
「金にもの言わせて」
「それで育成放棄してたからな」
「設備の充実も」
「それで金がなくなって」
そうなってというのだ。
「他チームからの強奪出来なくなって」
「育成のノウハウはなくて」
「設備はオンボロで」
「スタッフの人もいなくなってて」
「それでも監督やコーチは生え抜き多くて」
特に監督は生え抜きのスター選手しかなれない、巨人というチームの実に巨人らしい絶対の不文律である。
「無能でもなれて」
「フロントは野球知らない」
「しかも現場にあれこれ言う」
「選手の不祥事は日常茶飯事」
「それでバッシング受けてやる気なくなる」
「練習もしない」
「それで強いか」
クラスメイト達は佐京に言った。
「その筈ないよな」
「巨人が弱いのも当然だよ」
「試合まで寝てるらしいしな」
「試合後は毎晩飲んで」
「ミーティングもしないそうだし」
「キャンプでも遊んでばかりだしな」
「それで弱くなった」
佐京も言った。
「それも当然」
「ああ、本当に弱いのもな」
「それも当然だろ」
「ストレッチや準備体操すらもしていないらしいぞ」
「試合開始ぎりぎりに来る選手ばかりみたいだな」
「それまで寝てるか遊んでいて」
「それで強い筈ないだろ」
「そもそもな」
「練習はいうなら稽古」
佐京は友人達の話を聞いて述べた。
「だから絶対にしないといけない」
「忍術もそうだよな」
「毎日練習しないとな」
「さもないとよくならないよな」
「そうだよな」
「跳んで跳ねて隠れて」
そうしたことを行ってというのだ。
「隠れる」
「そうだとな」
「本当に毎日練習しないと駄目だよな」
「稽古をしないと」
「出来ないよな」
「まずはじっくり準備体操をして」
これを欠かさないというのだ。
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