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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第十幕その九

「無茶苦茶だよ」
「そんな戦争だったらね」
 ダブダブも思うことでした。
「出来たら避けたいね、けれどやるとなったら」
「勝つしかないわよ」
 ポリネシアはダブダブに応えて言いました。
「生き残る為にね」
「よく特撮で言われるけれど」
 老馬はこう言いました。
「その通りの状況だったね、当時の日本は」
「ロシアは凄い大国で」
「朝鮮半島に進出する気満々だったしね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「若し負けたら」
「日本は大変なことになっていたよ」
「そうだよ、若しね」
 それこそという先生でした。
「若しあの戦争で日本が負けたら」
「大変なことになっていたよ」
「それこそ」
「もう後がない」
「絶望的な状況になっていたわ」
「そうだよ、もうね」
 それこそというのです。
「朝鮮半島には間違いなく進出していて」
「それでだよね」
「まさに日本の目と鼻の先に迫ってきていて」
「北の方からも来て」
「もうどうなっていたか」
「ロシアに併合される危険もあったね」 
 先生はそうなっていた可能性も否定しませんでした。
「本当にね」
「そう思うと尚更だね」
「戦わないといけなかったね」
「そして勝たないといけなかった」
「そんな状況だったね」
「だから打てる手を全部打って」
 そうしてというのです。
「何とか勝った」
「そうした戦争で」
「当時の日本は本当に必死だったんだ」
「生き残る為に必死に戦って」
「そして勝った戦いね」
「そうだよ、そして勝って」 
 実際にというのです。
「山本さんもだよ」
「そのことに貢献したんだね」
「東郷さんと同じく」
「海軍軍人として」
「そうした人だよ、この人は権兵衛大臣とも呼ばれていたんだ」
 皆にこのこともお話しました。
「海軍を取り仕切っていて実際の大臣の人が国会で質問されたら」
「そうなったら?」
「どうなったの?」
「一体どうなったの?」
「大臣さん、西郷さんの弟さんの西郷従道さんがいつも山本さんを呼んで答えてもらっていたんだ」
 そうだったというのです。
「それで大臣と呼ばれる様になっていたんだ」
「成程ね」
「そこで西郷さんの弟さんが出て来ることも面白いね」
「そういえば同じ薩摩の人だし」
「いつも国会で答えていたんだ」
「そうだよ、そして後に二回総理大臣になっているよ」
 山本さんはそうだったというのです。
「実はね」
「へえ、総理大臣にもなったんだ」
「それは凄いね」
「海軍を取り仕切っていてなんだ」
「そのことが認められてなのね」
「そうだよ、ちなみにこの人が東郷さんを連合艦隊司令長官に推挙したけれど」
 このお話もするのでした。
「明治帝に言った言葉が面白いんだ」
「どんなの?それ」
「面白い言葉っていうけれど」
「一体何なの?」
「運がいいからってね」
 東郷さんがというのです。 
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