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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第十幕その八

「山本さんも凄かったんだ」
「海軍を戦える組織にしたから」
「動ける組織にしたからだね」
「海軍という組織を整えて」
「優れた軍人さんを大勢育てて」
「立派な軍艦を沢山揃えて」
「物凄く苦労もしたけれど」
 それでもというのです。
「海軍をそうした組織にしてね」
「それでだね」
「そのうえで戦える様にして」
「日露戦争に勝ったんだね」
「東郷さんだけじゃないね」
「そうだよ、東郷さんと並んでね」
 そうしてというのです。
「素晴らしい、いやその功績を考えたら」
「山本さんは東郷さん以上なんだ」
「それだけ凄い人なんだ」
「海軍全体を整えた人だから」
「山本さんもいなかったら」
 そうであったらというのです。
「本当にね」
「日露戦争は勝てなかったかも知れないんだ」
「東郷さんもいて」
「そうしてだね」
「もっと言えば海軍だけじゃ勝てなかったからね」
 日露戦争はというのです。
「満州で陸軍が奮戦して」
「乃木大将だよね」
「旅順要塞を攻略して」
「奉天会戦でも獅子奮迅の働きをしたね」
「黒木さん達も」
「その前にイギリスと同盟を結んで」
 日英同盟のお話もしました。
「世界一の大国イギリスの協力も得てお金もね」
「調達して」
「ありとあらゆる努力を行って」
「そして勝ったね」
「勝っている時に戦争を終わらせられる仲裁してくれる国にもお話して」
 そうもしてというのです。
「ロシア国内でも工作を行って」
「そしてだね」
「勝った戦争だね」
「ありとあらゆる手を打って」
「必死に努力をして」
「当時のロシアは日本の十倍の力があると言われていたんだ」
 そこまでの差があったというのです。
「そのロシアに勝とうと思ったら」
「ううん、海軍だけだとね」
「どう考えても無理ね」
 チープサイドの家族もお話します。
「十倍もの相手って」
「大人と子供だよ」
「凄い大国と戦って勝ったことは知ってたけれど」
 それでもと言うジップでした。
「聞けば聞く程凄いね」
「日本の偉い人達は出来るなら戦いたくなかったのも当然だよ」
 トートーは真剣なお顔で頷きました。
「絶対に負けるよ、普通は」
「そんな国とは誰も戦いたくないよ」
 チーチーはお顔を曇らせて言い切りました。
「普通はね」
「あの北朝鮮でも威勢のいいこと言うだけよ」
 ガブガブはこの悪名高い国のことをお話しました。
「時々ミサイル撃って工作してね」
「それでそんな力の差がある相手と正面から戦うなんて」
 それこそとです、ホワイティは思いました。 
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