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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第九幕その十

「そこが気になるね」
「夏の白は熱、日光を跳ね返すから」
「それでなったのよね」
 チープサイドの家族がお話します。
「そうだったわね」
「確かね」
「しかしね」
 それでもと言うトートーでした。
「何で冬は今は黒かだね」
「それはイタリア海軍を見てだよ」 
 先生は皆に言いました。
「東ドイツ海軍なんかはネイビーブルーだったよ」
「ああ、あの共産主義の」
「西ドイツと統一した」
「あの国はそうだったんだ」
「ネイビーブルーだったの」
「そしてロマノフ朝のロシアでは白だったよ」 
 当時のロシア海軍はというのです。
「日露戦争の時もね」
「それで帝国海軍は黒だったね」
「あの詰襟の」
「あれが凄く恰好いいけれど」
「ロシア海軍は白だったのね」
「そうだよ、そしてイタリア海軍がね」
 この軍隊がというのです。
「今の黒と金のブレザーの軍服を出して」
「それでだね」
「各国の海軍も取り入れて」
「黒になったんだ」
「そしてブレザーになったんだ」
「そうだよ、あの軍服は恰好いいね」
 黒と金のブレザーの軍服はというのです。
「しかも動きやすいしね」
「あっ、そうだね」
「詰襟よりもね」
「首が開いている分ね」
「そうなっているね」
「軍服は戦う人の軍服だから」
 それでというのです。
「何と言っても動きやすくないとね」
「格好よさも大事だけれど」
「所謂機能性だね」
「それもよくないとね」
「駄目だね」
「だからだよ」 
 その為にというのです。
「イタリア海軍の軍服をモデルにしてね」
「黒と金色のブレザーになった」
「そうだね」
「イタリアのファッションセンスのよさもあるかな」
「あの国はそのことでも有名だしね」 
 皆もそれならと納得しました。
「成程ね」
「流石先生だね」
「こうしたこともよく知ってるね」
「軍服の色の変遷まで」
「そうだったらいいね、しかしね」 
 それでもと言う先生でした。
「海自さんもその服だけれど」
「恰好いいよね」
「ぴしっと決まっていて」
「まさに海の軍人」
「そんな感じでね」
「そうだね、ただ帝国海軍の軍服の方がね」
 先生個人としてはです。
「好きかな」
「ああ、あの軍服はね」
「そうだよね」
「あの恰好よさは別格だよ」
「恰好よさが違うわ」
「何と言っても」
「そうだね、あと夏の軍服は」
 海軍のというので。 
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