英雄伝説~黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達~
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第23話
目的地である大型倉庫に到着したヴァン達は倉庫内で徘徊している人形兵器達を撃破しながら進んでいると、行先で複数人の何者かが人形兵器達と戦闘をしていた。
~港湾区・大型倉庫~
「遅い!!」
人形兵器達と戦闘している人物の一人―――――クロウは両手に持つ導力銃から銃弾を怒涛に撃って人形兵器達にダメージを与えると共に怯ませ
「ハァァァァァァ…………!砕け散れ!!」
人形兵器達が怯むとクレアが人形兵器達の頭上に氷塊を発生させた後それをライフルで撃ち抜いて氷の破片を降り注がせてダメージを与えると共に人形兵器達の足元を凍結させて動きを封じた。
「こいつで止めだ!!」
「もらった!」
「フィニッシュッ!!」
そしてマーティン、タリオン、アンゼリカが一気に詰め寄って人形兵器達に止めを刺した。
(す、凄い……)
(実力もそうですが、連携力も相当なものです……!)
(ああ……それと幸いにもアーロンとはまだ鉢合わせになっていないみたいだな。)
クロウ達の戦闘の様子を物陰に隠れて見守っていたアニエスはクロウ達の強さに驚き、フェリは真剣な表情で呟き、ヴァンはクロウ達はアーロンとまだ鉢合わせになっていない事を悟った。
「――――それで?いつまで隠れているつもりだ?」
「そちらに我々への敵意がないのはわかっています。できれば、姿を現してそちらの目的を教えて欲しいのですが。」
「……ッ!?」
(どうやらわたし達の事も気づいていたようですね……)
するとその時クロウが振り向いてヴァン達が隠れているコンテナに視線を向けて声をかけ、クロウに続くようにクレアもヴァン達に声をかけ、声をかけられたアニエスは驚き、フェリは真剣な表情で呟いた。
「……元々アンタ達に接触するつもりだったから、別に隠れているつもりはなかったんだがな。」
クロウとクレアの言葉に答えたヴァンは隠れていたコンテナから姿を現し、アニエスとフェリも続くように姿を現してヴァンと共にクロウ達と対峙した。
「お前は確か裏解決屋の……」
「ヴァンさんじゃないか。いや~、まさかこんな所で会うなんてねぇ。しかも仔猫ちゃんを二人も連れているなんてね。エレインさんの件も考えたらどうやら貴方もリィン君のようにハーレムを築きつつあるようだねぇ?」
ヴァンを目にしたクロウは目を丸くし、アンゼリカは懐かしそうな表情を浮かべた後アニエスとフェリに気づくとからかいの表情でヴァンに指摘し
「違うっつーの!こいつらは助手だ!俺をあのリア充シスコンハーレム剣士と一緒にするなっつーの!それとエレインとはただの幼馴染で、お前達が邪推しているような関係じゃねぇ!」
「え……………」
アンゼリカのからかいに対してヴァンは反論した後疲れた表情で答え、アンゼリカとヴァンの会話でヴァンがリィンと親しい関係であるような口ぶりにアニエスは呆けた声を出した。
「裏解決屋ヴァン・アークライドさん、でしたか。貴方の噂は聞いています。」
「その二人を含めた”紅き翼”の連中かあんたと同じ”子供達”経由のどっちからどんな噂を聞いているか知らねぇが、名高き”氷の乙女”殿にも名を覚えてもらえていて光栄だぜ。」
「”氷の乙女”という事は貴女が”鉄血の子供達”の一人でもあるあの………」
クレアに声をかけられたヴァンは苦笑しながら答え、ヴァンの話を聞いたアニエスは目を丸くしてクレアを見つめた。
「――――初めまして。エレボニア王国”鉄道憲兵隊”所属にしてメンフィル・クロスベル両帝国が立ち上げた合同捜査隊――――”エースキラー”の一員でもあるクレア・リーヴェルトです。私の場合アンゼリカさん達と違って”名高い”というよりも、”悪名高い”という意味で有名でしょうが……」
「ま、それを言っちまったら俺も少佐の事は言えないけどな。――――少佐と同じく”エースキラー”の一員のクロウ・アームブラストだ。エレボニアではトールズ士官学院の教官の一人を務めているぜ。」
「二人と同じく”エースキラー”の一員のアンゼリカ・ログナー。こう見えても”三大名門”の一角であるログナー侯爵家の当主でもある。よろしく頼むよ、仔猫ちゃんたち♪」
クレアはヴァン達に自己紹介をした後困った表情で答え、苦笑しながらクレアに指摘したクロウは初対面であるアニエスとフェリに自己紹介をし、アンゼリカは自己紹介をした後ウインクし、アンゼリカにウインクをされたアニエスとフェリは冷や汗をかいた。
「そちらの方達が”エースキラー”という事は、そちらのお二人が”エースキラー”に協力しているノーザンブリアの……」
「自分達の事もご存じでしたか。――――”北の猟兵”所属タリオン・ドレイクです。」
「マーティン・S・ロビンソンだ。お前達がクレイユ村でローガン達と共闘したという例の”解決事務所”か。」
気を取り直したフェリは真剣な表情でタリオンとマーティンを見つめ、見つめられたタリオンは自己紹介をし、タリオンの後に自己紹介をしたマーティンはヴァン達を見回した。
「ま、こっちの返事を効かずに向こうが一方的に始めたから、結果的にそうなっただけなんだがな。――――――”アークライド解決事務所”の所長のヴァン・アークライドだ。」
「アニエス・クローデルと申します。まだ学生ですが、訳あってヴァンさんのお仕事を手伝わせていただいています。」
「えと、フェリーダ・アルファイドです。ヴァンさんへの恩返しと修行の一環として”あるばいと”をさせてもらってます。」
マーティンの言葉に答えたヴァンは自己紹介をし、ヴァンの自己紹介に続くようにアニエスとフェリもそれぞれ自己紹介をした。
「皆さんが”二代目白蘭龍”の”依頼”によって、この煌都で活動している話は既に黒月の方達から伺っています。そして皆さんがこの場に現れた理由は……昨夜の事件で亡くなった東方人達の友人であり、貴方達の”依頼”にも関係する人物――――――アーロン・ウェイの捜索の為でしょうか?」
「ハッ、さすが噂の”氷の乙女”殿だけあって、説明の手間が省けて助かるぜ。そっちはアルマータとの繋がりがある”メッセルダム商事”の半グレ達の”アルマータ”に関する情報収集を含めた確保だろう?お互いの”利害”は一致している上、そっちもできれば”余計な手間”はかけたくないだろうから、”共闘”をする事はどうだ?」
クレアに確認されたヴァンは鼻を鳴らしてクレアの先読みに感心した後共闘の提案をした。
「”余計な手間”――――――既に我々よりも先に潜入し、友人達を殺害した半グレ達の報復に向かっているアーロン・ウェイの対処は貴方達が行うという事でしょうか?」
「ああ。それともし俺達のこの煌都での”出張依頼”の間に”アルマータ”に対して何らかの攻勢をかける時に手を貸して欲しい。その代わりと言っちゃなんだが、こっちが掴んでいるこの煌都にいる可能性が非常に高いアルマータの幹部連中の情報を今この場で提供してもいいぜ。」
「!」
「”幹部連中”という言い方からして、現在この煌都に”アルマータの幹部は複数いる”って事か。」
クレアの確認に対して答えたヴァンの話を聞いたタリオンは目を見開き、マーティンは真剣な表情で推測を口にした。
「フム、悪くない交渉内容だね。」
「ああ。俺達がこの煌都に訪れたのはあくまで”調査”の為だが、幹部連中の実力を図る貴重な機会にもなるだろうからな。」
「………わかりました。こちらにとっても”アルマータ”の幹部達の情報は非常に貴重な情報ですし、煌都の人々との軋轢ができかねない事を避けられるのならば、そちらを選びたいというのが本音ですのでその二つの条件を承諾します。――――――マーティンさんとタリオンさんも異存はありませんね?」
「ああ、こっちにとっても都合がいいからな。」
アンゼリカとクロウが納得した様子で呟いた後少しの間考え込んだクレアはヴァンの交渉を承諾した後マーティンとタリオンに確認し、マーティンはタリオンと視線を交わして頷いた後答えた。
「交渉成立だな。そんじゃ、進みながらになるがこっちで掴んだアルマータの幹部連中の情報を早速伝えさせてもらうぜ――――――」
そしてクレア達の協力を取り付けたヴァン達はクレア達にアルマータの幹部達に関する情報を伝えながら、時折自分達の行先を阻む人形兵器達を協力して撃破しながらアーロンの元へと向かった。
~終点~
ヴァン達がアーロンの元へと到着すると数人の半グレ達がアーロンによって半殺しの状態に陥っていた。
「か、勘弁してくれ!もうこの街から手を引く!マフィアとも手を切るから、許してくれ!」
仲間達が倒れている中半グレの一人はアーロンに命乞いをしていた。
「………許す………?レイ達をあんな風にしたお前らをか………?クク、そいつは慈悲深き天上聖母サマのお仕事だなぁ……俺の仕事は―――レイ達の仇のてめぇらをまとめて煉獄行きにしてやるだけだっ!!」
対するアーロンは怒りと憎しみに満ちた表情で得物の切っ先を半グレ達に向けて宣言した。
「ひぃぃ!!」
「――――その辺にしとけ!」
アーロンの宣言に半グレが悲鳴を上げたその時ヴァンがアーロンに向けて制止の声を上げてアーロンに駆け寄り、アニエスとフェリと共にアーロンと対峙した。
「………………また、てめえらか………」
「一応、各方面の”依頼”なんでな。お前を気にかけてくれ。だとよ。」
「………全員まだ息があるみたいですっ!」
「……よ、よかった……」
半グレ達を見回して半グレ達が生きている事を悟ったフェリの分析を聞いたアニエスは安堵の溜息を吐いた。
「黒月入りしてない身での殺しはリスクが高い。連中に引き渡すくらいにしとけ。」
「ハッ、聞いた口を………どうしても邪魔するってんなら―――――まずはテメェからだ……!」
ヴァンの忠告に対して鼻を鳴らしたアーロンは全身に殺気を纏ってヴァン達を睨み
「な、なんて殺気……」
「ヴァンさん……!」
「仕方ねえ、相手するぞ。お前らはサポートに徹しろ。―――――落とす加減はこっちでする。」
対するヴァン達も迎撃の構えをした。
「舐めてんじゃねえぞ裏解決屋ンンンンッ!!!」
ヴァンのアニエスとフェリへの指示を聞いたアーロンは怒りの表情で声を上げてヴァン達に襲い掛かった。そしてヴァンは二人のサポートを受けながらアーロンの武器を弾き飛ばした後アーロンの胸倉をつかんだ。
「てめぇぇええ!!」
「いい加減にしやがれ!アーロン・ウェイ!!!こいつらは駒だ!始末したところで意味はねえ!そんなことをしてもてめえの憂さ晴らしになるだけだ!それがてめえの”仇討ち”か!?」
「っ………!」
ヴァンの喝に反論できないアーロンは唇を噛み締めた。
「目を見開け!耳を澄ませろ!怒りで思考を曇らせるな!あの怪しい霧はなんだ!?アルマータは何をするつもりだ!?こいつらの背後に一体どういう陰謀が隠されているか、それを全部暴き出せ!それこそが―――――大切な仲間へ手向ける”本当の仇討ち”への筋道だろうが!?」
「………ッッッ…………」
ヴァンの指摘に反論できないアーロンは唇を噛み締めて顔を俯かせて黙り込んだ。
「へ、へへ、助かったぜ……」
一方その様子を見守っていた半グレ達は安堵の表情を浮かべたがフェリとクロウが半グレ達に銃口を向けた。
「流石にムシが良すぎです。」
「ああ。今までてめえらがこの街で犯した罪をてめえら自身の身で償うのも”スジ”だぜ。」
「ひぃぃ……っ!!」
二人に銃口を向けられた半グレ達は再び悲鳴を上げ
「アーロンさんの怒りも当然です……あんな風に人を殺めて……女神もお許しにならないでしょう。」
「ち、違うっ!そもそも昨夜の殺しは俺達じゃねえ!」
真剣な表情で指摘したアニエスの指摘に対して半グレの一人は焦った様子で答えた。
「……………………」
(ヴァンさんとエレインさんが言っていた……)
「てめえ……この期に及んでしらばっくれるつもりかッッ!!?」
半グレの反論を聞いたヴァン達黙っている中アーロンは怒りの表情で半グレ達を睨んで声を上げた。
「ち、違うっ!本当に違うんだ!!奇襲をかけたのは、たっ、確かに俺らだが、そこまではやってねえんだ!」
「マフィアの指示も”痛めつける”だけだった……殺しまでは、やっちゃいねえんだよ!!」
「……ということはやはり……」
「……洗いざらい話してもらおうか。」
半グレ達の必死の反論を聞いたアニエスは真剣な表情を浮かべ、ヴァンは半グレ達に真実を話すよう促した。
「話す!全部話すから!昨夜、東邦人街に奇襲をかけてガキどもを叩きのめしたら……ア、アイツらが―――――」
「―――――そこまでだ。」
「お喋りは感心しないねぇ。」
そして半グレの一人が真実を話そうとしたその時男と女の声が聞こえ
「!皆さん、先程打ち合わせした通りに!」
「「ああ!」」
「おうよっ!」
「はいっ!」
声を聞いたクレアは血相を変えてアンゼリカ達に呼びかけた。するとその時半グレ達の頭上から金属製の矢が怒涛に降り注ぎ、半グレ達に矢が届くギリギリのタイミングでクレアとクロウ、マーティンが協力して展開したシャードによる三重の防御結界が間に合って半グレ達を襲う矢を防ぎ
「ムウウンッッ!!」
「「ハアアァッ!!」」
続けて巨漢が跳躍と共に半グレ達に手甲をつけた拳を叩きつけようとするとアンゼリカとタリオンがそれぞれ闘気を纏わせた拳による強烈な一撃を繰り出して巨漢の奇襲を相殺した。
「チッ……!?」
「何……ッ!?」
それぞれの半グレ達への奇襲が防がれた事に女は舌打ちをし、巨漢が驚くとクレアとクロウ、マーティンがそれぞれ威嚇射撃を二人に放って半グレ達から離れさせた。
「ハン、さすが音に聞く”氷の乙女”。あんたの”先読み”が無かったら連中は間違いなく消されていた所だったぜ。」
「いえ……ヴァンさん達から”彼ら”に関する情報を前もって知らされていなかった事もそうですがアーロンさんへの対処をヴァンさん達に任せていなければ、私達がいても半グレ達への”口封じ”は防げなかったでしょう。」
「……てめえらがアルマータの”幹部”だな?」
口元に笑みを浮かべたヴァンの感心の言葉に対してクレアは謙遜した様子で答え、クロウが警戒の表情で男と女に問いかけている中マーティンとタリオンは男と女の注意がヴァン達に向けられている隙に男と女に気づかれないように二人の写真を撮った。
「チッ、正解だよ。あたしはヴィオーラ。ボスのお気に入りにして右腕さ。それにしてもあたし達の奇襲に完全に対処するとはね……情報源は大方、昨日始末しそこねたそこの赤髪の化物姉か。」
「……今のお気に入りはメルキオルだと思ったが。それとあの女は始末しそこねたというよりも、”俺達の方が始末されかけて”メルキオルの機転によって撤退する事ができたようなものだが。」
奇襲に対処された事に舌打ちをした女―――――ヴィオーラは名乗った後マルティーナを思い浮かべて忌々しそうな表情を浮かべ、男は淡々とした様子でヴィオーラに指摘した。
「っ、黙りな!」
男の指摘を聞いたヴィオーラは唇を噛みしめた後怒りの表情で反論した。
「俺はアレクサンドル。同じくアルマータ幹部の一人だ。お前がメルキオルと絡んだ裏解決屋、そしてお前達が愚かにもアルマータを潰す為にメンフィルとクロスベルによって結成されたという”エースキラー”だな?」
「不本意に、だがな。」
「やれやれ、”今のゼムリアの二大国”であるメンフィルとクロスベルに目を付けられていながら、”愚か”と言えるなんて随分と大きく出たものだね。」
男―――――アレクサンドルは名乗った後ヴァンやクレア達に視線を向け、アレクサンドルの言葉に対してヴァンとアンゼリカはそれぞれ厳しい表情で答えた。
「か、幹部の人がどうして自分の仲間を………」
「仲間ァ?めでたい嬢ちゃんだねぇ。」
「この者達は”捨て駒”。不要になったから片付けようとしただけだ。」
信じられない表情を浮かべたアニエスの疑問に対してヴィオーラは嘲笑し、アレクサンドルは淡々とした表情で答え
「そ、そんな……」
「そ、それじゃあまだ来ていない仲間達は……」
「ひぃぃ……ッ!」
二人の言葉を聞いた半グレ達は表情を青褪めさせるか悲鳴をあげたりしていた。一方アーロンはヴィオーラとアレクサンドルの武装を目にした後死んだ仲間達の遺体の損傷具合を思い返した。
「……そうか、テメェらが………テメェらの仕業なんだな……?……レイ達をあんな風にしたのは………それに姉貴もレイ達のようにしようとしやがったんだな……?」
「ああ、癪だけどあんたの化物姉はあたしらも退かざるを得なかったけど、他はザコばっかりだったよ。」
アーロンの問いかけに対してヴィオーラは嘲笑しながら答え
「ッオオオオオオオ……!!」
ヴィオーラの言葉を聞いたアーロンは全身に凄まじい闘気と殺気を纏って咆哮を上げた。
「……!よせ!」
「くたばれええええええっ!!!」
そしてアーロンはヴァンの制止の声を無視して二人に襲い掛かろうとしたが
「甘いね―――――!」
「ッッ!?」
ヴィオーラが放った矢によって足を止められると共に武器を弾き飛ばされ
「隙だらけだ。」
「かはっ……!」
更にアレクサンドルによる強烈な一撃を受けて吹き飛び、地面に叩きつけられた。
「アーロンさん……!」
地面に叩きつけられたアーロンを目にしたアニエスはアーロンに駆け寄って手当てを始め
「話には聞いて予想はできていたがやはり、短針銃か……エグいのを使ってやがるな。そっちのアンタは軍隊上がりか?」
「ハッ……」
「フ……そちらも齧っているのは”東方武術だけではないな?”」
ヴァンの問いかけに対してヴィオーラが鼻を鳴らしている中、アレクサンドルは僅かに興味ありげな様子でヴァンに問いかけた。
「さあてね。(どちらも達人クラスか……だが幸いにも今この場には”氷の乙女”達がいる。”氷の乙女”達と連携して、奴等を――――――)」
「フフ、アンタらを始末するのは”指示”には入ってないからね。そいつらの始末はしたい所ではあるけど………そいつらの始末の為だけに”氷の乙女”と”蒼の騎士”相手にここでやり合うのは割に合わないから、この場は見逃してあげるよ。」
「明日からの黒月との決戦の前に煌都から去るといい。昨夜の者達やその者達の仲間達のような血と肉塊に変えられたくなければな。」
ヴァンが二人への対処を考えているとヴィオーラは半グレ達やクレア達に視線を向けた後この場での戦闘はしない事を口にし、アレクサンドルは警告をした。
「待ち……やがれ………」
「駄目です、アーロンさん!」
するとその時アーロンは立ち上がり、それを見たアニエスは心配そうな表情で制止しようとした。
「俺は……アイツら……を……ぐふっ……」
ヴィオーラとアレクサンドルを追おうと歩き始めたアーロンだったがすぐに地面に倒れた。
「あはは、いいねぇ!そういう足掻きは嫌いじゃないよ!」
「怨嗟と憎悪は受け止めよう。その気なら”戦場”で待っている。そして”エースキラー”よ、我等への”指示”を阻んだ”報い”はいずれ必ず受けてもらう。」
アーロンの様子を目にしたヴィオーラは笑い、アレクサンドルは淡々と答えた後背後の壁を破壊しヴィオーラと共に去って行き
「クソがあああああああああッッ!!」
去って行く二人をアーロンは睨みながら悔しそうな表情で咆哮を上げたがすぐに気を失った。
その後半グレ達は半数ずつ警察と黒月に引き渡され、警察と遊撃士協会、黒月が現場検証を行っている中クレア達と別れてアーロンを療法院に運び込んだヴァン達は、ヴァン達から連絡を受けたアシェンやジャック、ハル、そしてマルティーナと共にアーロンの治療が終わるのを待っていた―――――
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