仮面ライダーダブル 最高のパートナー
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第十六章
「何度も。戦う存在ではないでしょうか」
「そうかもね」
光のその言葉にだ。フィリップも頷いた。
「僕も一度消えて。そう思えるようになったよ」
「ひょっとしたらですけれど」
光は確かなことだとはしなかった。あくまで推測だというのだ。
しかしその推測をだ。あえて話したのであった。
そのうえでだった。彼等はあらためて考える。スサノオについてだ。
「一体何を考えているんだ、奴は」
「それがさっぱりわからないんだよな」
小野寺が照井に話す。
「とりあえず碌なことじゃないのは間違いないけれどな」
「楽しんでいるのか?」
照井はこうも考えた。
「まさか」
「そうかもな。とりあえずな」
ここでだ。左はあえて話すのだった。
「園咲家に行くか」
「そこでか」
「そうだ、そのスサノオが間違いなくいるな」
左はこう門矢に答えた。
じゃあそこに行ってだ」
「そうしてか」
「そのうえで戦えばわかることもわかるだろうな」
「何よ、それ」
亜樹子が左の今の言葉に頬を膨らませて突っ込みを入れた。
「要するに拳で突き止めろってことじゃない」
「ああ、その通りだ」
「それって探偵でも何でもないじゃない」
「いや、それが正解だよ」
フィリップが亜樹子に言った。
「今はね」
「それでなの?」
「うん、スサノオは間違いなくいるから」
「それでスサノオと戦って直接確かめるの」
「どちらにしろ園咲家には行かないといけないしね」
この問題もあるのだった。どちらにしろだった。
「財団と戦わないとね」
「財団がそのままスサノオだな」
門矢は話を簡潔にまとめてみせた。
「それならだ。やはりな」
「行こうか、すぐに」
「そうするべきだな」
海東にも応える。そうした話をコーヒーを飲みながらしてであった。
ライダー達は園咲家に向かう。するとそこにはかつてそこにあった豪奢な屋敷がだ。何とそのままの姿でそこに存在していた。
その見事な屋敷を見てだ。亜樹子が眉を顰めさせて言った。
「財団が再建したのね」
「それ以外に何があるんだ?」
「そう言われると」
「気をつけろ」
左は鋭い顔で亜樹子に言う。
「すぐにドーパメントが山程やって来るぞ」
「えっ、じゃあ私ここにいたら」
「御前はすぐにこの屋敷を出ろ」
左は彼女にそうしろと告げた。
「いいな、すぐにだ」
「そうしないと足手まといになるわよね」
「それ以上に死ぬだろうが」
「あっ、そうよね。そういえば」
「そうだ。だからすぐにここから去れ」
「わかったわ。それじゃあね」
こうして亜樹子は屋敷の前から消えた。少なくとも襲われる様な場所からはだ。そうして残ったのはだ。七人の戦士達だった。
海東がだ。その壮麗な屋敷を見ながら言った。
「戦う場所には奇麗過ぎるかな」
「いや、そうした場所の方がいい」
だが門矢はこう彼に返した。
「見映えがする」
「だからいいんだ」
「戦う場所も凝っていれば余計に戦いがいがある」
「士がそんなことを言うなんて思わなかったよ」
「何故だ、それは」
「いや、芸術には興味がないんじゃないかって思ってね」
笑顔になって門矢に話すのだった。
「だからね。そう思ったんだよ」
「それでか」
「けれど。絵になるのは確かだね」
「そしてそれが最高の絵になるには一つ条件がある」
門矢は既に身構えている。そのうえでの今の言葉だった。
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