仮面ライダーダブル 最高のパートナー
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第十五章
「ミュージアムというのは」
「そうだな、あれはな」
「うん、僕達に観せるものじゃなくて」
フィリップは左に述べながら話していく。
「観るのは」
「スサノオだったんだな」
「うん、スサノオが観るものだったんだ」
そうした意味でだ。ミュージアムというのだとわかったのだ。
「スサノオが。そこで行われる僕達の戦いをね」
「つまりスサノオは俺達がいることも知っていた」
左もここで確信した。
「仮面ライダーがいることを」
「ミュージアムは本体じゃなかったんだ」
「本当に観たいのは俺達だったのか」
「そうだね。僕達仮面ライダーの行動を観たかったんだ」
「そうした意味でのミュージアムか」
「しかしだ」
照井が眉を顰めさせながら述べた。
「長年に渡って、しかも幾つもの平行世界でスサノオは影響力を行使しているな」
「そうだ」
門矢が照井の言葉に答える。
「それはもうわかるな」
「わかったうえでのことだ」
照井もだ。それを踏まえての言葉だった。
「それだけの影響力があれば俺達をすぐに潰せるな」
「そうなんだよなあ、本当に」
小野寺もその通りだというのだった。
「俺達の力なんてな。スサノオのその圧倒的な力に比べたら」
「本当に微々たるものだよ」
海東もそうだというのだった。
「それでも。何故かスサノオは僕達の前に罠や敵を置いていくんだ」
「確かにどれもこれも厄介な罠や敵ばかりです」
光もここでまた話した。
「ですがどれも何とか乗り越えていっています」
「元からライダーが乗り越えられるような罠か?」
「そして倒せる敵」
左とフィリップはまた考えてそのうえで述べた。
「人間がか」
「そうできるものばかり。まさか」
「楽しみたいのよね、そのスサノオって」
暫く話を聞いていた亜樹子がここで言った。
「だから?ライダーが乗り越えられるようなトラップとかばかり仕掛けるの?」
「乗り越えるのを観てか」
「楽しんでいる」
「ううん、何かそれ考えたら」
亜樹子も真剣に考えている。腕を組んで眉を顰めさせてだ。
「スサノオって本当に変な奴よね」
「少なくとも俺達仮面ライダーの敵でだ」
「そして世界征服を望んでいない」
左とフィリップはここまでの話を纏めて二人で述べた。
「そして俺達に何かと罠や敵を仕掛けて」
「それを乗り越えるのを観て楽しむ」
そこからだ。一つの答えを出した。
「神か」
「一種のね」
そうした存在だとみなすのだった。
「つまりそうだな」
「かつての戦いで遠くの星から来た存在だとわかったんだったね」
「B52暗黒星雲から来たな」
そこだというのである。門矢が話す。
「それがわかった」
「そしてツクヨミ、アマテラスと共にいた」
「遥かな過去に」
また述べる左とフィリップだった。
「相当長い虚空に囚われていた」
「そうなっている」
「だからか」
「それだけの力を持ちそのうえで楽しみを求めている」
「全ては。その囚われの中での退屈を紛らわせる為に」
「僕達の戦いを観ている」
そうしたことを考えていく。話がまとまっていく。
「それがスサノオか」
「そうした存在が僕達の相手なんだね」
「そして」
また言う照井だった。
「ライダーの中には死んだことのある奴もいるな」
「僕もそうだしね」
フィリップは照井のその言葉に応えた。
「二度。死んでいるから」
「しかしその都度蘇ってここにいる」
左もだ。フィリップの二度の復活について考えていって述べた。
「それも何かあるのかもな」
「多分ですよ」
光が考える顔で述べてきた。
「仮面ライダーは死ねないんじゃないですか?」
「死ねない、か」
「はい。仮面ライダーになった人は死んでもその都度誰かが蘇らせてくれて」
そうしてだというのだ。
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