八条学園騒動記

　　　　　　　　　　　　　　　十支族の謎
　セドリックとウェンディがクラスで話しているとそこにアンが来た、そのうえで二人に対して言ってきた。
「童顔とか背とか民族とか話してたわね」
「今もね、あんたのお国のことも話したわ」
「十支族ね」
「十二支族のうちのね」
「それね、実はね」
　アンはウェンディにそれはという顔になって話した。
「結構以上にね」
「あやふやでしょ」
「十二支族全体がね」
「十支族だけじゃないの」
「古代ヘブライ人っていっても」
　今はイスラエル人だがというのだ。
「そもそもアジア系でしょ」
「その地域は」
「セム語族でね」
「元々アジア系ね」
「けれど私達基本白人でしょ」
「イスラエル人ってそうだね」
　セドリックが頷いた。
「そうだね」
「ええ、黒人やアジア系の人もいるけれど」
「白人の人が多いね」
「イスラエル人はユダヤ教徒でないとなれなくて」
　イスラエルの法律でそう定められているのだ、その為イスラエルは宗教国家に区分されることが常である。
「ユダヤ教徒同士でないとね」
「結婚出来ないね」
「そうだしね」
　そもそもというのだ。
「だからイスラエル人は混血がね」
「進んでないね」
「建国当初白人が多くて」
「白人同士で結婚していって」
「イスラエルの中のね」
　即ちユダヤ教徒同士でというのだ。
「そうしていっていて」
「それで混血もだね」
「進んでいないけれど」
「連合の中ではかなり独特だね」
「ええ、けれどヘブライ人が白人か」
　そもそもというのだ。
「どうかしら」
「違うわね」
　ウェンディが言ってきた。
「キリストさんにしても」
「エウロパだとラテン系のお顔でしょ」
「あれはないわね」
「絶対にね」
　アンは言い切った。
「有り得ないわ」
「そうよね」
「それでイスラエルの人達も」
「ディアスポラで世界各地に散って」
「それでエウロパにも行って」
「こちらがね」
「今のイスラエル人のルーツよね」
　こうウェンディそれにセドリックに話した。
「そう言われてるわね」
「アラブでも暮らしていたわね」
「むしろそちらの方が多かった筈よ」
「そうよね」
「エチオピアでも」
　この国の話もした。
「ソロモン王とシバの女王からの」
「ユダヤ人がいたのね」
「そうした人達もいたし」
「アラブの方がなのね」
「本来は多くて」
　それでというのだ。
「実際オスマン＝トルコでもね」
「ユダヤ人いたのね」
「かなり多くて」　
　そしてというのだ。