ハッピークローバー
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第百二十一話 どう違うのかその五
「残念ながらね」
「そうだったのね」
「まあ訴えてもね」
「よかったわね」
「幻の助っ人とかサイン持ってたら凄いとかね」
その様にというのだ。
「言われていたのよ」
「それは言われるね」
「この人は一度会ったらね」
「文句言いたい?」
「ええ、何でそうしたってね」
その様にというのだ。
「言いたいわよ」
「本人さんに」
「白人の人でもこんなことしたら」
それこそというのだ。
「怒るわよ」
「まあそうでしょうね」
「けれど活躍してくれたら」
そうしたらというのだ。
「いいわよ」
「人種に関係なく」
「そうよ」
まさにというのだ。
「そうしてくれたらね」
「いいのね」
「バースさんもメッセンジャーさんもね」
「活躍してくれたらよしね」
「阪神は巨人と違うから」
この邪悪に満ちたチームとはというのだ。
「来る者は拒まずよ」
「誰でも」
「巨人って外様に厳しいでしょ」
「生え抜き最優先よね」
「それで助っ人もね」
「あくまで助っ人ね」
「一線引いてるとこあるから」
このチームの『伝統』の一つである。例えば監督は生え抜きのスター選手でなければ絶対になれないのだ。
「助っ人は助っ人」
「巨人の選手かっていうと」
「外様でしかないのよ」
「そう線を引いてるのね」
「けれど阪神は違うから」
「阪神の選手ね」
「助っ人とか言っても」
そうであってもというのだ。
「巨人とは意味が違うのよ」
「巨人はあくまで外様ね」
「あそこはそうだけれど」
「阪神は阪神の選手ね」
「そう、そして活躍してくれたら」
そうしてくれればというのだ。
「ファンもよ」
「物凄く応援するわね」
「その応援たるやね」
それこそというのだ。
「もう甲子園が揺れる」
「そこまでのものよね」
「そこまで応援するから」
活躍すればというのだ。
「皆ね」
「阪神が好きになるわね」
「バースさんなんかね」
二年連続三冠王を獲得した最高とさえ呼ばれる助っ人である。
「もう阪神ファンはナンバーワン」
「そこまで言ってくれたのね」
「オマリーさんだってね」
やはり阪神で活躍した助っ人である。
「最高ってね」
「言ってくれたのね」
「本当に活躍してくれたら」
それならというのだ。
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