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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第六幕その七

「そうでした、そして何とか勝ちましたが」
「負担は大きくて」
「儲かったとは誰もです」
「思わなかったですね」
「そうです、それに特に」
 まさにというのでした。
「まだロシアがいて」
「日本の勢力圏の傍に」
「危機はありました、そうしたことが一切です」
「わかっていませんね」
「いや、戦後の日本の学者は」
 まことにと言う堀与さんでした。
「極めてです」
「質が悪いですね」
「学者としても教育者としても」
「経済学や法学もです」
「そんなものですね」
「そうです、学者としても非常にレベルが低いうえに」
 それだけでなくというのです。
「人としてもです」
「どうにもならないですね」
「大学の教授もセクハラや汚職のお話がです」
「極めて多いですね」
「あらゆる意味で腐敗を極めた」
 そうしたというのです。
「日本で最も腐敗した」
「そうした社会ですね」
「その一つです」
 まさにというのです。
「あちらは」
「あの、普通にわかりませんか」
 王子は堀与さんに首を傾げさせながら尋ねました。
「あの戦争のことは」
「勝ったにしてもですね」
「日本はその後大変だったことが」
「誰でもわかりますね」
「僕は歴史学者ではないですが」
 それでもというのです。
「わかります」
「そうですね、しかしです」
「それがわからないのがですね」
「日本の歴史学者の一部なのです」
「相当にレベルが低いですね」
「最悪わかってて言う場合もです」
 そのケースもというのです。
「ありますよ」
「ええと、まさかマルクス史観とか」
「そちらに基いてです」
「戦前の日本を共産主義と敵対する悪い国として」
「それで言っています」
「それは問題外ですね」
「ですがそんな人でも学者が出来る」
 堀与さんは残念そうに話しました。
「それがです」
「戦後日本の学者さんですね」
「流石に今から学者さんになる人は違いますが」
「お年寄りの人はですね」
「そうした人が多くて」
 それでというのです。
「そうした人達が元気な間はです」
「そうした学説が大手を振って歩いていましたね」
「いや、本当に大変でした」  
 堀与さんは真面目なお顔でお話しました。
「あの時の日本は」
「借金で、ですね」
「ずっと返済し続けていて」
 日露戦争の戦費に借りたそれをです。
「二次大戦の後もです」
「返していたんですね」
「そうでした、それでどうして戦争をして儲かると思えるか」
「誰も思えないですね」
「そうしたことを言う人をこう呼びます」
 堀与さんは断言しました。 
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