わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ
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第16章
16-1
4月になって入学式の日、校長先生の挨拶があって、今年も彼はありきたりの言葉の後
「余談ですが、この桜中学には奇跡の種がありまして、2年前からその種を育ててくれる女生徒達が居て、みんなで一つのボールを追いかけて、頑張って 努力して、去年は2輪の花が咲いて、今年は全国に向かってみんなで立派に咲かせてくれるでしょう。この桜中からですよ! もう奇跡とは言えないですね 現実なんです。2年前からすると大きな奇跡です。皆さんが胸を張って桜中の生徒だと言えるようにね だから、希望をもって、この桜中で勉強とかスポーツのいろんなことを学んでください」
そして、今年は私達ラグビー部にもクラブ勧誘の看板を出せることになっていた。だから、去年みたいなパフォーマンスは無しで、ジャージ姿での声掛け勧誘をしていた。
「なぁ 今年も 校長先生 熱弁だったね」
「うん でも 今年で退官らしいよ」
「ええー そーなん ウチ等の味方やったのにね」
「そうや だから ウチ等 絶対に全国に行って 校長先生に恩返しや!」
新入生のほうは、何人かが興味を示してくれていて、チラシを手に取っていて、やっぱり先輩2人の全国大会出場とかウチ等の関西大会出場の文字が効いているみたいで、すごいアピールなのだ。その中で2人の女の子が
「ウチ等 入ります」と、いきなり言ってくれたのだ。聞くと少年少女のラグビースクールで2年間やってきたと言うことだった。輝姫が色々と説明していると、何人かも寄って来て、話に耳を傾けていて、感触上々だったのだ。
次の日、始業式でクラス分けの発表があって、1組 私と泉希に利勝 2組 璃々と朝陽 3組 栞奈、すみれと道弘 4組 美鈴、鈴花と励に決まっていた。
「泉希 やっと 一緒になれたね」
「ふふっ その言い方 夫婦みたいやなー それに、すみれと道弘が一緒やでー 喜んどるわー」
そして、国守先生が学年主任のままでウチ等の担当なのだ。それも、私は嬉しかったのだ。
その日、朝陽と栞奈を誘って、おばちゃんのとこに行くと
「あぁ ごめんな タコが無くなってしもーたんじゃー 代わりに イカのゲソなんだけんどー」
「ええよー 何でもー ウチ等 そんなん わからんからー」
「まぁ これはこれで 美味しいからー あっ そう 前来た後輩やっていう子 あの子 駅前でやっていたうどん屋さんの子やわー お孫さんカナ 見たことあるなぁーって思ったんやけど ふと 思い出したんやー」
「ふ~ん うどん屋さん?」
「うん もう 無くなってしもーたんやけどなー 駅前開発でお店を売って廃業するって言っていた わたしゃーなんかも よー行ってたんやけどー そん時にお店でチョロチョロしてた子やわー たぶん そん時 まだ 幼稚園にも行って無かったかなー 娘さんがお店 手伝っとたからー」
「へぇー そんなん 聞いたことないわー 今度 聞いてみるね」
練習日の初日。5人の新入生も並んでいた。そのうち、2人は経験者。でも、みんな比較的、身体の大きな子達なのだ。彼女達の教育係には晶がなっていた。ジョギングとかは一緒なのだけど、あのしゃがんでジャンプしてダッシュは出来るとこまでいいよ 無理しないでと、新入生達には晶が優しい声を掛けていたのだ。
「そんなん 最初から甘やかしたらあかんやろー」と、私がぶつぶつ言っていたら
「晶に任せときーなー ウチ等がぶつぶつ ゆうたら 嫌んなるでー」と、泉希からたしなめられていた。そして、しばらくは璃々と輝姫が新入生達にパスとかタックル、ランニングの基本を教えていたのだ。そして、1週間程経った時、又、2人増えていた。これで、総勢20人の大所帯で、学校の女子の運動クラブの中ではダンス部と並んでダントツに多くなっていた。
たっ君も重光、颯君と揃って北河内高校に通い出したと言っていた。そして、バスケット部のキャプテンだった響子先輩も同じだと言っていた。あの人も桜子先輩と同じ西の丸学院だと思っていたけど違ったんやー
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