八条学園騒動記
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第七百四十話 スポーツ新聞とタブロイドその十
「これがだ」
「いいのよね」
「それなら探偵としてはな」
「受けて立ってね」
「倒す」
そうするというのだ。
「それだけだ」
「そうよね」
「また言うが俺達は探偵だ」
「犯罪はしないわね」
「そして確かなものを読む」
「タブロイドなんて読まないわね」
「絶対にな」
それこそというのだ。
「そうするのだ」
「そうよね」
「品性も知性も教養もないならな」
「読む価値ないわね」
「そこに悪意や偏見や偏向をふんだんに入れるとな」
「面白い筈がないわね」
「むしろまともな者ならだ」
テンボはこれ以上はないまでに嫌悪を込めて言った。
「読むと吐き気を催す」
「そこまでよね」
「下劣な記事がな」
「出て来るから」
「面白い筈がない」
「吐き気催す様なものがね」
「人間下世話な一面もあるが」
猥雑とも言っていい、人間は清濁がありその中にはそうした一面も存在しているということである。
「だがそこに悪意だのが入るとな」
「酷いものになるわね」
「それがタブロイドで無知な奴を意図的にだ」
即ち確信犯でというのだ。
「煽ることもな」
「するわね」
「元々マスコミには煽動体質があるが」
その力を悪用してである。
「悪質なタブロイドは特にだ」
「やってくるわね」
「憎悪や偏見を煽り」
「自分達の目的通りに動かそうとするわね」
「それで本当に戦争も起こったからな」
米西戦争の様にというのだ。
「連中は気を付けないといけない」
「あれね」
ジャッキーはここまで聞いてこうしたことを言った。かなり真剣な顔になってのことだ。
「下手な犯罪者よりもね」
「そうした新聞の関係者は悪質だな」
「それこそ探偵がやっつけるね」
「真犯人よりもな」
「悪質よね」
「犯罪を犯していなくても」
例えそうであってもというのだ。
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