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八条学園騒動記

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第七百四十話 スポーツ新聞とタブロイドその二

「とんでもなく酷いな」
「悪質な記事が出来るのね」
「戦争だってな」
 それすらというのだ。
「煽ったりしたらしいな」
「戦争まで」
「昔はな」
 十九世紀のことである、アメリカのそうした新聞紙であるハーストがしきりにスペインへの敵愾心を煽り米西戦争の一因になったのだ。
「あったらしいな」
「そう思うと危険ね」
「だからな」
 そうしたものだからだというのだ。
「タブロイドはな」
「読んだら駄目ね」
「俺達は探偵だぞ」
 テンボはジャッキーに毅然として言った。
「それもだ」
「天才ね」
「天才探偵ならな」
「まともなものを読まないとね」
「新聞もな」 
 これもというのだ。
「やっぱりな」
「まともなものじゃないとね」
「だからタブロイドなんてな」
「読むものじゃないわね」
「ああ」 
 絶対にというのだ。
「俺達もな」
「読むと」
「俺達の目と頭が汚れ」
 そうしてというのだ。
「心もな」
「汚れるのね」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「絶対にな」
「読まないことね」
「そうだ」
 テンボは断言した。
「やっぱりな」
「そうね」
 ジャッキーもそれはと頷いた。
「スポーツ新聞はね」
「飛ばし記事もあるがな」
 それでもというのだ。
「けれどな」
「それでもよね」
「そこには楽しませる、事実を知らせる」
「そうした気持ちがあるわね」
「まだな」
 いささか品性はなくともというのだ。
「そうしたものがな」
「あって」
「いいんだが」
「タブロイドになると」
「そうしたものすらない」
「悪意とかだけがあるのね」
「しかもな」
 さらにというのだ。
「書いてる連中が外道だ」
「悪人の中でも」
「極めつけだ」
「倫理観もなくて」
「それでだ」
 そうした輩共だからだというのだ。
「エウロパの工作員になるのもな」
「当然ね」
「屑だからな」
「何かね」
 ジャッキーはここまで聞いて言った。 
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